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レポ、ハイイールド、コストコ:ジェフリー・ガンドラック

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、不吉としかとらえようのない予言をツイートしている。


レポ市場の混乱は序章だった。
JNK(ジャンク債ETF)が200日移動平均線を割り込んだのは序章だった。
紙幣印刷は続き、否定さえされることもなくなり、FRBは無制限のマネタイゼーションの意思を示している。
コストコに並ぶ1マイル(1.6 km)の人の列が序章でないことを祈ろう。

ガンドラック氏が1日ツイートした。
「序章」が何の序章なのかについては書かれていない。
何がやってくるのだろう。

昨年9月17日のレポ金利の急騰は、短期市場がFRBによる金融調整にNoを出したようなものだった。
安定を失った金融市場はFF金利の誘導目標から逸脱し、FRBは事実上のQE再開に追い込まれた。

米担保付翌日物調達金利
米担保付翌日物調達金利

レポ金利急騰の翌日、ガンドラック氏はQE再開を予想し、年内の米長期金利低下は終わったと宣言した。
FRBがQEを実施すると長期金利が上昇に転じる経験則が見られるからだ。
実際、長期金利はFRBのバランスシート再拡大とともに上昇し、コロナ・ショックが顕在化するまで安定していた。

コロナ・ショックが起こると、米国債こそ買われたものの、信用リスクのともなう債券では信用スプレッドが急拡大した。
ハイイールド債はその典型の1つであり、米国債利回りが低下する中、ハイイールド債利回りは上昇、つまり価格が下落した。
ハイイールド債ETFの代表格SPDR Bloomberg Barclays High Yield Bond ETFでも、2月下旬に200日移動平均線を割り込み、その後しばらく急落を続けた。

SPDR Bloomberg Barclays High Yield Bond ETF (JNK)
SPDRR Bloomberg Barclays High Yield Bond ETF (JNK)

こうした社債価格の下落、つまり利回りの上昇は、発行体の調達コストを上昇させていく。
ガンドラック氏はこの時、自社株買いにブレーキがかかると予想した。

ガンドラック氏は依然として株式市場にも弱気だ。

私にとってダウ平均が19,000でも22,000でもほとんど違いないんだ。
その差なんて単なるビッド/アスク・スプレッドだからだ。
債券トレーダーなら経験からわかるはずだ。

債券トレーダーの経験とは何のことか。
これは、同じ債券投資家スコット・マイナード氏の証言が如実に物語っている。
同氏は3月12日、クレジット市場でビッド/アスク・スプレッドがあまりにも拡大し、値が付かない状態にあると指摘した。
また、新規発行も事実上不可能になっていたという。

1日のダウ平均の終値は20,943.51。
ガンドラック氏のいう19,000-22,000レンジに収まっている。
喩えるなら、このレンジでの売買は幻のようなもの。
本当に買い圧力が加わるのは19,000以下、本当に売り圧力が加わるのは22,000以上と言いたいのではないか。

さて、レポ金利の反乱、ジャンク債下落、コストコの行列は何の前兆なのだろう。
前2つは、中央銀行による市場操作が効きにくくなっていることを示している。
結果、流動性が大量に再注入されることになった。
これが何かの序章とするなら、金利やインフレの反転上昇、ドル相場下落に関係があるのかもしれない。

コストコの行列が暗示するのは何だろう。
この人たちはウィルスから避難するための巣ごもりの準備をしているのだろう。
そこに特段のメッセージは感じられない。
ダブルラインの本拠地ロサンゼルスでは早いうちにロックダウンが決定された。
量販店では日用品・食品の大量買いが起こっている。
品物のない棚の写真を見ると、原因は違うとわかっていても、どうしても高インフレの国々が思い出されてくる。


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