レイ・ダリオ:忍び寄るスクイーズ

Share

Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が、米国での政治的リスクの高まりを心配している。
短期的にはゴルディロックスにあるとしながら、長期的には経済が悪化し社会・政治的対立が深まると予想している。


「大局的に見れば、短期はいいが長期は恐ろしい。」

ダリオ氏はLinkedInで4つの理由を挙げている。

  • 経済は最高に近く、今後1-2年のホライズンで大きな経済的リスクは見られない。
  • 長期的には重大な問題(高い債務・負担、中央銀行の経済刺激の限界など)が存在し、スクイーズを起こす可能性がある。
  • 過去数十年で最悪の社会・政治的な対立がある。
  • 対立は経済が悪くなるとともに悪化する。
ダリオ氏の脳裏には彼なりの債務サイクルの考え方がある。
経済を動かす3つの力から話は始まる:

  • 通常の景気/短期債務サイクル(典型的には5-10年)
  • 長期債務サイクル
  • 生産性

ダリオ氏は、現在が短期債務サイクルの真ん中にあると考えている。


「世界経済はサイクルのゴルディロックス(熱すぎず寒すぎない)の部分にある。
結果として、典型的にそうであるように現在ボラティリティは低い。
このサイクルでは、典型的な嵐の雲は地平線に見えない。」

これがダリオ氏の短期的な楽観である。
ところが、中長期的なホライズンに目を移すと状況は逆転する。
米社会・経済の構造的な課題が表面化すると心配されるからだ。

「米国は多くの債務・負担(年金、健康保険、社会保障など)を抱え、それがますます『スクイーズ』を生む。
このスクイーズは突然ではなくゆっくりとやってきて、現在最も苦しんでいる人に最も厳しくあたる。」

時に、金融政策はすでに伸びきっており、副作用も心配されている。
また、仮に余裕があったとしても、金融政策で構造問題に対処すべきでもないだろう。
もう一つの選択肢、財政政策はトランプ政権の下で問題を解決できるだろうか。
そもそも大統領は財政問題に危機意識を持っているようには見えない。
共和党は一枚岩でなく、大統領や議会が適切に構造問題に対処できるか楽観できる状態ではない。
ダリオ氏はこう悲観する。

「どんな大きさであれいつか停滞が来れば、いつ来るのであろうと、現在よりもはるかに大きな社会・政治的対立をもたらすだろう。」

Share