レイ・ダリオ:和解より死ぬまで戦う可能性が高まる

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Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が、分断された米社会について強い懸念を示した。
今後しばらくは金融・財政の政策要因だけでなく、政権・社会の政治的要因への注意が必要という。


a) ほとんどの現実は少しずつ形を変えて繰り返す。
b) よき原則は現実に対処する効果的な方法だ。
c) 私たちがこれまでの人生で経験してきたより、政治が市場に影響を与える役割が大きくなる。様々な点で1937年と似てくるだろう。

ダリオ氏がSNSで、現在の経済・政治環境を大恐慌後の1937年に似ていると書いている。
当時も今も米国は経済的・社会的に分断され、重荷を負わされており、国内・国際的に対立が深まり、ポピュリズムが台頭し、民主主義が脅かされ、戦争勃発の危機にさらされると予想している。

大恐慌前後のダウ平均
大恐慌前後のダウ平均


相反するPrinciples

ダリオ氏は、b)で原則(principles)という言葉を用いた。
この言葉はダリオ氏にとっては特別な言葉だ。
ダリオ氏はブリッジウォーターでPrinciplesと呼ばれる社員心得とも言うべき文書を徹底している。
社員や組織はどのように行動すべきかを定める原則の書である。
ダリオ氏は瞑想を好み、抽象的なPrinciplesを掲げていることから、同社を新興宗教に喩える向きさえある。

ダリオ氏は、正しい原則を定め、ぶれることなく従うことで、激変する過酷な現実にもうまく対処できると信じている。
しかし、不幸なことに世の中には普遍の原則があるわけではない。

「歴史が示すのは、人々を分断させるのではなく結束させる原則が強まる時、民主主義が栄えるということ。
法による統治のルールが議論され、全体の利益のために妥協が図られる時だ。
・・・
対立は今、和解するより死ぬまで戦う可能性が高い点にまで強まってしまった。」

(次ページ: 分断か結束か)

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