レイ・ダリオ:債券市場のリスクが高まる

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Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏は、FRBのバランスシート縮小によって米債券市場が極めて大きなリスクにさらされていると警告した。
さらに、トランプ政権が減税など財政政策を実行すれば、債券市場の需給は大きく悪化しかねないという。


違う。
我々は株式市場をロングし続けてきた。

ダリオ氏はBloombergに、株式の弱気相場を予想しているわけではないと言い切った。
ブリッジウォーターは今でも米国株をロングしていると説明した。
確かにダリオ氏はこれまでも米市場から手を引けとは言っていない。
ただ、リスク・パリティ等を用いリスクをコントロールしろと言ってきた。

債券市場が大きなリスクに

この日の警告の対象は株式ではなく債券の方に向いていた。
長期金利2.4%の攻防が続いているためだろう。

米長期金利(青、左)と株価(Wilshire 5000、赤、右、自然対数)
米長期金利(青、左)と株価(Wilshire 5000、赤、右、自然対数)


2008年リーマン危機のはるか前から米金利は超長期の低下サイクルにあった。
それが、リーマン危機以降さらに異例の水準まで低下が進んだ。
FF金利をゼロに誘導しても金融緩和が足りないと判断したFRBは(実質ベースで)マイナス金利を生み出すために量的緩和を実施したのだ。
ダリオ氏は2008-17年をこう総括し、債券投資でプラスのキャリーが得られる環境だっとと指摘した。
それが今年2017年に転換点を迎え、米金融が金融抑圧を脱する時がきたという。

「利上げし量的緩和を巻き戻すという新たな時代に入った。
・・・
我々は転換の真っただ中におり、まったく異なる環境に入りつつある。
これは、サイクルの終局に入ったことに相当する。
この局面では金融引き締めが起こる。」

ダリオ氏は、FRBのバランスシート縮小が進むほど、問題が深刻化すると予想する。
FRBが重荷を下ろすにつれ、市場の側には問題が増えていくという。

「進展すれば、市場の性質から言ってその分リスクが増大する。
債券市場は極めて大きなリスクにさらされているように思える。」

(次ページ: 財政拡大が足を引っ張る)


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