海外経済 投資

レイ・ダリオの4つのアドバイス
2020年4月13日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオのTEDインタビュー第2弾: 今後の有望分野、一般投資家へのアドバイスが語られている。


そこが大切なんだ。
基本的に2つのタイプがあるんだ。

今後の有望セクター・企業を尋ねられ、ダリオ氏が答えた。
2つのタイプに共通するのはバランスシートが健全という点。
難しい環境を生き抜かなければならないから、高レバレッジ等は敬遠されるのだ。

その前提の上でダリオ氏が挙げた1つ目は「安定した定番の銘柄」。
キャンベル・スープを例に挙げており、バフェット銘柄のようなイメージのものなのだろう。
不況においてもディフェンシブな性質を発揮する。

もう1つはイノベーター。
イノベーションを起こし「偉大な勝利者になれる」銘柄だという。
「偉大な勝利者」に限れば、不況知らずの銘柄群といえるが、これを事前に見分けるのは少々難しいかもしれない。

ダリオ氏は、401kなど長期投資を念頭に投資家へのアドバイスを求められた。
同氏はまず、無知の知とでもいうべきところから話を始めている。

「まず、投資家は、自分がうまくやれないであろうことを理解しなければならない。
どう投資し、どう引き揚げるか、おそらく(正しく)決められない。
市場で成功することは、オリンピックで金メダルを取ることより難しい。
オリンピックで競うことを考える人は稀だろうが、みんな市場で競うことはできると考えてしまう。
しかし(市場では)もっとたくさんのお金が競い合っている。
ゼロサム・ゲームのようなことを莫大なマネーが競い合っている。」

ダリオ氏は、市場の厳しさを教え、一般投資家が楽観的な前提に基づいて行動しないよう戒めている。
そして、この認識から最初のアドバイスを導き出す。
マーケット・タイミングを試みてはいけない、ということだ。

ダリオ氏は、投資家が陥りがちな誤りを紹介する。

「すべての投資家にとって最大の誤りは、最近うまくいったものが、高いものではなく、良い投資だと考えることだ。
最近悪かったものが、安いものではなく、最悪のものだとして売却してしまうことだ。」

いわゆる順張りが必ずしも正しくないと釘を刺したものだろう。
では、ダリオ氏はいったい何を奨めるのか。
それには、素朴な現象が根拠となっている。

「世界の富の全体の金額はそれほど変化しないことを理解しなさい。
あるものが上がれば、あるものが下がる。」

この見方を投資家が受け入れるのは少々難しいかもしれない。
世界の富には実物と債権・債務に属するものがある。
実物の富は作られ消費され、総額の変化率はそう大きくないのかもしれない。
債権・債務は鏡写しのものであり、オフセットされるものだ。
こう考えるなら、確かに世界の富の総額はたいして変化しない。
そこで起こる資産クラスごとの上げ下げは、全体の中の凸凹でしかない。
これが投資に与えるインプリケーションは何か。

個人投資家がすべきは、よく分散するやり方を知ること、バランスのとれたよい分散法を知ることなんだ。

分散とバランスは、ダリオ氏の一貫した一般投資家向けアドバイスである。
そして、分散の要素として、最近の持論、現金に対する考え方を説明している。

現金は安全な投資先ではない。・・・
現金はボラティリティがほどんどなく、人を引き付ける投資先だが、あなた、あなたの購買力に年約2%課税する。
だから、現金はほぼ最悪の投資先だ。

各国中央銀行が2%物価目標を変更するようには見えず、ほとんどの国がリフレ的な政策(拡張的金融・財政政策)を続ける可能性が高い。
仮に2%程度のインフレになるなら、ドルの価値は毎年2%ずつ減っていくことになる。
金利はゼロに近く、所得税も取られるから、ドル保有者の負担は小さくない。
これがいわゆる《インフレ税》だ。
各国ともに立法に基づく増税が難しいから、意図しているかどうかは別として、《インフレ税》を歓迎しているように見える。

ダリオ氏は「貨幣システムが崩壊し、貨幣が再定義されている」と話し、対処法としてポートフォリオに少し金を入れることを提案している。

私が言いたいのは、
よく分散し
謙虚であり
マーケット・タイミングをせず
現金の危険を認識しろ

ということだ。


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