レイ・ダリオの正しい読み方

レイ・ダリオ氏のブリッジウォーター・アソシエイツのアクティブ・ファンドが苦戦している。
その苦戦の原因が、なんともダリオ氏らしからぬものなのだ。


Bloombergが報じたところでは、ピュア・アルファ・ファンドのリターンが年初来-6%と苦戦している。
レバレッジをかけたピュア・アルファIIも-9%。
ベンチマークのMSCI World Indexの+13%に大きく出遅れている。
市場にボラティリティが戻り、他のヘッジ・ファンドが元気を取り戻す中で、ピュア・アルファの不調が目立っている。
敗因は金利上昇に賭けていたためだという。

ブリッジウォーターには看板ファンドが2系列ある。

  • ピュア・アルファ: 変化を予想し、アクティブ運用で乗り切る。
  • オール・ウェザー: リスク・パリティ等の考えを用い、市場・経済の変化を受けにくくする。

今回パフォーマンス悪化に苦しんだのがアクティブ運用のピュア・アルファ。
一方で、分散・バランスが特徴のオール・ウェザーは年初来+12.5%と好調だ。
ブリッジウォーターのアクティブ戦略、つまり先読みがこの期間うまくいかなかったのだ。
ここに総帥ダリオ氏の発言の読み方の難しさがある。


ダリオ氏はかねてから現在が1930年代終わりに似ていると指摘してきた。
そして、米金利が上昇を始めたのは戦後の1940年代終わり以降だ。
1930年代終わりにあたるなら、今、金利上昇というシナリオは考えにくい。
しかし、ブリッジウォーターは金利上昇に賭けていたという。

同様のことは最後のひと上げ騒ぎでもあった。
ダリオ氏は昨年1月市場が噴き上がると予想した。
しかし、その直後、ブリッジウォーターは様々な市場でショート・ポジションを増やしたと報じられた。

ダリオ氏が市場環境について言及する時、業界の通例どおり、ブリッジウォーターを代表するものではないと断っているから、おかしな話ではない。
しかし、ダリオ氏の大局観とブリッジウォーターの戦略、市場の現実にはそれぞれずれがあることを承知しておくことが大切だ。


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