レイ・ダリオがイメージするビッグ・スクイーズとは

レイ・ダリオ氏に対するCNBCインタビューの第3弾、次の危機がどのように進むかについて少し具体的に語られている。


米国は増税しなければいけない。
問題は、どううまく設計するか、超党派または無党派で進めるかだ。

ダリオ氏が徐々に悪化していく債務問題について、増税の必要性を訴えた。
増税は経済に悪影響を及ぼす。
税金が高いより安い方が民間の経済が賑わうのは当然のことだ。
でも、それでも国家が必要とする資金を得られなければ、何かせざるをえない。
6日のSNS記事でダリオ氏は3つの選択肢を挙げたが、このインタビューでは増税が望ましいとしている。
給付を削減すれば困窮する人が出るし、増税なら従来やってきたことの延長(減税の戻し)にすぎないからだ。

財政問題が逼迫する中で、金融政策の方も進退窮まったようなところがある。

システムは行き詰っており金利を上昇させることはできない。
刺激策の結果、企業ほかの経済主体ははるかに多くの債務を抱えている。
・・・
これを逆回転させれば(資産)価格を下げることになる。

ダリオ氏は珍しく足元の株価についてコメントしている。
かつて最後のひと上げを予想したこともあるダリオ氏だが、今では長期的な観点を交え中立に近いスタンスのようだ。


「(米国株市場は)上抜けるとも思わないし、特に買われすぎとも思わない。
お金の重み(weight of money)があるためだ。・・・
各国中央銀行が15兆ドルもの資産を買入れ、たくさんのマネーが存在する。
問題は、マネーがどこに向かうのかだ。」

国家財政は悪化し、金融政策を引き締めるわけにもいかない。
ダリオ氏は、実際に選択されるのが増税ではなく債務拡大+マネタイゼーションになると予想する。
つまり、お金の重みはこのスキームが持続可能な限り続き、その間資産価格が維持される可能性がある。

大きなマイナス材料は、莫大な債務を抱えた場合のゆっくりとした債務マネタイゼーションだ。
これは、通貨に影響を及ぼし、資本フローに影響を及ぼす。
投資先を探すマネーが大量に存在し競合しあう限りは、先々も低リターンと付き合うことになろう。
それでも、価格が下がることを意味するわけではない。

ダリオ氏は直接的な表現を使わなかったが、日米欧の通貨安・インフレや投資リターンの低下を示唆したものだろう。
同氏は先の金融危機との違いを説明する。

「これは経済的な資源配分ではないが、2007-08年のように破裂するバブルとも同じではない。
あの時は、債務の期限が来て、ロールオーバーができず、それが金融危機を生んだ。」

前回の金融危機はデフォルトという明確なイベントとともに進んだ危機だった。
次の危機はだらだらと長く続く「大きなスクイーズ」になるとダリオ氏は説明している。

大きなスクイーズとは、ゆっくりと負担が期限を迎えることだ。
債務、年金の負担・・・医療の負担を合算すると、莫大な金額の期限がやってくる。


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