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リーマン危機のようなものじゃない:ポール・クルーグマン

ポール・クルーグマン教授が、コロナ・ショック後の経済回復について意見を求められている。


これも可能性はあるが、私はこれを予想していない。
これが2008年のように完全雇用に戻すのに7年もかかるものとは思わない。
・・・でも、1年後にすべて正常に戻るかといえば疑わしい。

クルーグマン教授がReal Vision Financeで、コロナ・ショックのシナリオを2つ挙げた。

  • 不均衡等によるものでないため、ウィルスの脅威が収まれば、経済が再活性化する。
  • 構造的な問題(企業債務、新興国市場債務、学生ローン)があったが、楽観によって隠されていた。(よって深刻な危機に発展する。)

このうち、2つ目となる可能性は薄いと述べたものだ。
無難な予想といえるだろう。

今回の経済・市場の混乱は、ウィルス感染によって引き起こされた。
その意味で、何らかの過剰や不均衡が引き起こしたものではなかった。
だから、回復が速い可能性がある。
なぜか。

「これまで経験した景気後退は、インフレが起こり、FRBが経済にショック療法を施すことで発生した。
その後、みんながV字の景気後退と呼ぶものが起こり、景気が急低下した後に再び急上昇してきた。」

今回はこれとは明らかに違う。
FRBはむしろ金融緩和の方向にあり、そこにウィルスが襲来した。
かといって、それまでに過剰や不均衡が存在しなかったというわけではない。
むしろ、世界的な低金利や一部の高い資産価格を過剰の一断面と見る人は多いはずだ。
これがみんなを迷わせる。

「経済についてのほとんどの予想では、今後数か月恐ろしく経済が低下し、今年終わりに急速に回復すると予想されている。
でも、彼らだってそんなことわかるはずない。
1つのシナリオにすぎない。」

クルーグマン教授は率直に自分にはわからないと明かしている。
V字にも、U字にも、それ以外にもなりうると話す。
政敵を批判する時とは打って変わって、至極謙虚に淡々と話す。

陳腐な言い方だが、未踏の領域なんだ。
こんなこと以前になかったんだ。


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