海外経済 政治

リーダー不在がもたらす負のスパイラル:ジェフリー・サックス
2020年6月8日

コロンビア大学のジェフリー・サックス教授が、米中摩擦・覇権争いとコロナ・ショックからの経済回復について語っている。


キンドルバーガーが1930年代を独特な時代と指摘したのは、第1次大戦後に大英帝国が覇権を失い、米国が第1次大戦後に指導力を発揮しようとしなかった点だ。

サックス教授がYahoo Financeで、学生時代に読んだチャールズ・キンドルバーガー著『大不況下の世界 – 1929-1939』について言及した。
米国が孤立主義を続ける中、英国が覇権国家としての力を失い、世界が迷走を始めた時代の話だ。
国際社会におけるリーダー不在は、経済・世界平和に深い傷を刻むことになる。

実際、米国はリーダーとなるのを避け、国際連盟への加入も拒絶し、国内では狂騒の1920年代を迎えた。
(国際社会に)リーダーが不在で協力が行われなかったから、大恐慌は近隣窮乏化策により悪化した。
一例が関税引き上げであり、他国からの報復関税を引き起こし、すぐに貿易の崩壊により両国が苦しみ、ヒットラー台頭、第2次世界大戦へと続いた。

サックス教授は、現在、世界にリーダーは存在しないと考えている。
米国は富も技術も軍事力も有しているが、支配的というわけではないという。

もちろん、中国や欧州もリーダーにはなりえない。
今の状況は、リーダー不在という点で、第1次大戦後と共通点がある。
経済・国際社会で極めて悲惨な展開が繰り返しかねない。
(少数を除いて)世界のリーダーがこれを理解しないはずがない。

「だから、それを心に留めつつ、それでも再びは起こらないと考えていた。・・・
もしも意図的に(米中を)分断すれば、1931年の大恐慌の暗い日々に戻り、下向きのスパイラルに陥ってしまう。」

サックス教授は今月、新著『The Ages of Globalization』を上梓している。
コロナ・ショックの前に書かれたものだというが、ショックによってその主張がより強まったのだろう。

世界は多極化しており、この新時代に私たちは協力しなければいけない。・・・
これら世界の地域は、危機から回復しようとしている。
それこそ私の主たる希望だが、またやらかしてしまうのではと深く心配もしている。


-海外経済, 政治
-,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。