リフレ政策のサニティ・チェック:ジェフリー・ガンドラック

誰のためのインフレ?

そして、これは市民にとっても決してうれしい政策とは言えない。


2%目標は単に将来のインフレのことではなくなり、過去の『未達分』を将来埋め合わせることになる。
これは、実際のFRBの目標が、35年で物価を2倍にすることになるのを意味する。

ガンドラック氏は物価が35年で2倍になることを不愉快なことと言っているのだろう。
この点については、違和感を感じる人もいるかもしれない。
35年で2倍なら別にいいのではないかと考える人もいるだろう。
確かにすべてが年2%上昇ならしのげるかもしれないが、それも賃金や資産価格との兼ね合いだ。


単一の政策が続けば同じ人たちが犠牲に

名目賃金からインフレを差し引いた実質賃金上昇率がいくつかの理由で伸びにくいことはすでに多く議論されているとおりだ。
さらに、資産価格、とりわけ住宅価格は金融緩和の影響を受けやすく、CPIよりも速く上昇する傾向がある。
つまり、安定した職に就けている中間層にとって生活必需品の値上げはなんとか飲み込めるかもしれないが、住宅を買うことが難しくなっている。
中間層の財産形成の典型的ツールだった住宅購入が困難になりつつある。
住宅を購入できなければ、いつまでも家主に(資産価格上昇と似たペースで上がっていく)家賃を支払い続けることになる。

経済政策は多面的に評価することが大切だ。
しかし、極端な政策が長く続いてしまうと、犠牲にされてきた人たちの不満はどんどん溜まっていってしまう。
仮にマクロ経済にとってインフレが好ましいものだとしても、いつまでも同じようにある集団を犠牲にする政策がしかるべきとは限らない。


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