リフレ政策のサニティ・チェック:ジェフリー・ガンドラック

債券王ことDoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が、FRBの変節に疑問を呈している。
言葉少ないものの、誰のための金融緩和か疑問を投げかけるようなツイートを投稿した。


FRB:『2019年に2回の利上げと、自動操縦の量的引き締め』と言っていたが、わずか数週間で『忍耐強く、たぶん量的緩和を通常のツールに』と言い出した。
今では『過去CPIが2%未満だった部分を将来2%超の期間でオフセットしなければいけない』というスタンスだ。

ガンドラック氏が23日ツイートで、FRBの急激なハト派転換に驚き、あきれている。
先月のFOMC前までの公式見解は、年内利上げ2回とバランスシート縮小の継続だった。
予想されていたとは言え、1月のFOMCで(少なくとも表面的には)タカ派的なスタンスが一気にハト派的なスタンスへと変更された。
昨年第4四半期の市場の混乱に対応したものだが、ガンドラック氏はこのFRBの転換を「株式市場に屈服した」と表現した。

繰り返される物価水準目標の提案

つまり、FRBは(CPIが2%になるのを)許容するだけでなく、実際にCPIが2%超に上昇するのを望むと言っているのだ!
債券市場は、鍋の中の茹でガエルのようになった。


インフレが善と信じる経済学者は尽きない。
そこで考え出された物価目標が《物価水準目標》というものだ。
現在の2%物価目標はCPIを2%まで持って行こうというものだが、物価水準目標はCPIの長期平均を2%にしようというものだ。
過去2%を割り込む局面が長く続いたから、今後は2%超の期間を長く許容しようということになる。

2017年、ベン・バーナンキ元FRB議長は、ゼロ金利近傍でのみ物価水準目標を適用することを提案している。
2018年には、アトランタ連銀のラファエル・ボスティック総裁が独自の工夫を凝らした物価水準目標の導入を提案した。
今月、リチャード・クラリダFRB副議長も、条件つきながら導入の可能性に言及している。
(ただし、副議長の議論対象は物価水準目標を含む幅広い「埋め合わせ戦略」(makeup strategy)に対するものだ。)

仮に過去の2%未達分を将来に埋め合わせるとすれば、過去の未達が長く深かっただけに、将来の超過分が長く、場合によっては高くなる。
インフレに弱い債券には大きな痛手だ。

(次ページ: 誰のためのインフレ)


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