リチャード・クー氏:為替のフォーメーション・チェンジ

野村総研のリチャード・クー氏が、最近のドル安をもたらした為替市場のロジックの変化を解説した。
また、世界経済は拡大しているものの、まだ一つ材料が足りないとコメントしている。


政治家が貿易の均衡について話しだすと、為替のトレーダーは皆、貿易の均衡に注目するようになる。
米国が莫大な貿易赤字を続けていることを思い出すが、それはドル安となるべきことを意味している。

クー氏は印CNBC-TV18で昨年のドル相場のドライビング・フォースの変化を解説した。

「現在の環境では、ドル高予想をしてきた人でない限り、みんなトランプ大統領が明日『ドルが高すぎる。ドル安にしよう』とツイートするのではないかと恐れている。
だから、ドル買いを推奨しにくい。」


外為市場のフォーメーション・チェンジ

クー氏は、大方の予想が外れドル安が進んだ過去12-13か月の米ドル相場を理解するにはトランプ大統領の要因を勘案する必要があると言う。
大統領のツイートが新たなドライビング・フォースというのでは浅薄に感じられるかもしれない。
むしろ、トランプ大統領がそうツイートする背景がクローズ・アップされているということだ。

「トランプは基本的に『米貿易赤字が大きすぎるので減らさなければいけない』と言っている。
政治家が貿易赤字・貿易不均衡を語りだすと為替市場はある種のフォーメーション・チェンジを始めるものだ。」

今回のフォーメーション・チェンジは、金利差から貿易不均衡のチェンジだったのだ。

為替の決定要因

クー氏は為替市場の役割について解説する。

「元々は、為替市場は貿易収支のバランスを取るように、あるいは貿易の決済をするようにできている。
過去30年は資本市場がより開放的となり、資本フローが為替に影響する度合いが大きくなった。」

現在では為替市場の決定要因はホライズンに合わせて3つ挙げられることが多い:
・短期: 金利差
・中期: 国際収支
・長期: 物価の差

(次ページ: 新たな為替のドライビング・フォース)


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