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リスナーなら驚かなかったはず:ジェレミー・シーゲル

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授は、自身のインフレ予想どおりの展開が進んでいるとし、今後数年高いインフレが続くとの予想を継続した。
ポッドキャストなので顔色はうかがえないが、さぞかしドヤ顔だったろう。


この番組を聞いてきた人は驚かなかったろう。
本当に過熱したインフレのデータ、間違いなくCPIは最大のサプライズだったが、PPIも高かった。

シーゲル教授がウォートン・ビジネス・ラジオで、インフレ予想に関して勝利を宣言した。

米労働省が12日に発表した4月の消費者物価指数(CPI)総合は前年同月比比4.2%の上昇と市場予想の3.6%を大きく上回った。
コア指数でも同3.0%と市場予想の2.3%を大きく上回った。(市場予想はBloomberg調べ。)
13日発表の生産者物価指数(PPI)総合も前年同月比6.2%と大幅上昇だった。

もちろん、本当の論争は単月のインフレだけで済むものではない。
シーゲル教授は、この点に関し、実績だけでなくインフレ期待について言及している。

「言及すべきことは、その数時間前にミシガン大学調べのインフレ予想が市場予想を大きく上回ったことだ。・・・
(調査の)参加者がこの数日のインフレ過熱の数字を把握していたかどうか。
今なら(インフレ予想は)もっと高かったのではないか。」

足元のインフレが上昇すること自体に驚きはない。
前年はパンデミックで経済活動が停止しており、そのベース効果は早くから予想されていた。
逆にいえば、市場はベース効果の寄与分をそこそこ精緻に予想していたはずだ。
それなのに出来上がりの数字が市場予想を大きく上回った。
これは、足元の(短期的か長期的かわからないが)インフレ基調が強いことを意味する。

シーゲル教授は、自身の予想どおりのことが起こっていると満足げだ。
経済再開とともにインフレは急上昇し、CDCがワクチン接種後のマスクを不要としたことで、経済再開が加速するという。
教授は「急速なインフレ」が進むとし、従前どおり、中期的にコンセンサスを大きく上回るインフレが起こると予想している。

遡ってチェックしたところ、昨年3月のパンデミック以降、広範なマネーサプライを示すM2は30%増大し、これは過去なかったことだ。
昨年からGDP(成長率)は名目で4-5%ポイントほど上昇するだろうから、うち20-25%がインフレに行き、これはこの数か月私が予想してきたそのままだ。
このプロセスが終わる時 – 私は今年のインフレが20%になるとは予想しないが – 今後2-3年で、これまで言ってきたとおり、物価水準はパンデミック前より20%高くなっているだろう。

シーゲル教授の予想を読む上で注意すべき点が2つある。
1つは、教授の予想どおりのインフレ上昇が起こるのか。
もう1つは、インフレが上昇する場合、株式市場にどのタイミングでどのような影響が及ぶかだ。
教授は、インフレ上昇の初期は株価にプラス、追ってマイナスに働くと予想してきた。
市場にはインフレが金利上昇を通して株価にマイナスとの条件反射が存在する。
これまでのところは、教授の予想があたっているようだ。


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