投資

リスク・オフへの備えは金か米国債か:ブラックロック
2019年8月15日

以前「リスク・オフへの備えは金か円か」という記事を掲載したが、これは日本人にとってのリスク・オフを問うたものだった。
ブラックロックのラス・ケストリッチ氏が、米投資家の目線で同様の議論をしている。


6月に3つのヘッジの選択肢について検討した: 円、金、米国債だ。
以降、金と米長期国債がそれぞれ8.5%、4%上昇し、特に良かった。
しかし、今後は、株式のリスクに対するヘッジとしてもっと米国債を用いたい。
主たる理由: ドルだ。

ケストリッチ氏が自社ブログで、株式下落リスクへのヘッジ手段としての米国債を奨めている。
最近2か月では金がアウトパフォームしたが、今後は米国債の方がいいだろうという。
同氏は3つの資産クラスのヘッジ手段としての性質をおさらいしている。

  • 債券: 通常は有効だが、市場混乱の原因がインフレの場合には裏目に出る。
  • 現金(自国通貨): 安定しているが、アップサイドはない。
  • 金: ヘッジ手段としては信頼性が低い。景気・金利・為替の影響を受ける。

次にケストリッチ氏は、どのようなリスクを想定すべきか、投資環境を精査している。
インフレは目標より低く、金融政策は緩和側に戻りつつある。
そうなると、主たるリスクは鈍化しつつある米景気が拡大を維持できるかだ。
それを脅かす最大の足元の要因が米中摩擦であり、それに関する大統領のツイートになっている。

「経済成長が依然鈍化しており、経済が下方リスクにさらされている中、経済成長予想がさらに下方修正された場合、米国債は確実に上昇を続けるだろう。」

インフレが心配されない中、為替の影響を受けにくいことから、米国債が好まれたようだ。
米中摩擦がエスカレートするとドルが買われる要因となり、これがドル建て金価格を下げる要因となることから、金がやや敬遠されるようだ。
(同様のことはリスク・オフで(ドルより)買われやすい円にもっと当てはまる。
このため、日本人にとっての金の魅力はより劣ってしまう。)

ケストリッチ氏は、米国債が利回り低下によりインカム・ゲインの源泉としての魅力を失いつつある点は認めている。
しかし、米国債と米国株の価格の相関が現在マイナスであることを確認した上で、米国債がポートフォリオ保護の手段として他の選択肢より優れていると主張している。

リスク・オフの期間、金のボラティリティが有利に働く可能性があることから、ポートフォリオにいくらか金を残したい。
その一方で、安全なデュレーション、つまり米国債にもっと頼りたい。
インカムの源泉としてだけでなく、貿易戦争がエスカレートした場合のより信頼性の高いヘッジであるからだ。


-投資
-, , , ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。