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リスク・オフへの備えは金か円か – リスク・オフ時の金とドル円
2019年7月24日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が金を推奨した時、それが大きな文脈の一部であるにもかかわらず、日本のメディアや投資家までがそれに飛びついた。
しかし、そうした早合点は裏目に出るかもしれない。


金のインプライドボラティリティーとオプションコール・スキューは現在、高価なため、円のコールを買う方が有利に見える。
・・・
金のポジションが伸び切っている中で、円は戦術的により有利なヘッジかもしれない

ゴールドマン・サックスのアレッシオ・リッツィ氏らのレポートをBloombergが取り上げている。
リッツィ氏らは金と円のコール・オプションの価格を比較。
最近の金のボラティリティ上昇により、金のコール・オプションの価格が高くなったと指摘する。
リスク・オフ時の保険として金や円のコール・オプションを用いる場合、後者の方が割安で済むとの結論だ。

さらに、金がすでにかなり買われてきたことから、金より円の方が「より有利なヘッジ」となる可能性を指摘している。
Bloombergは、年初来の金と円(対ドル)の上げ幅がそれぞれ11%、1.6%であることを紹介している。

こうした議論が日本人にとって意味することは何か。
それは、リスク・オフ局面でたとえ金のドル建て価格が上昇しても、円建て価格が上昇するとは限らないということだ。
仮に円建て価格が下落するようなら、結果論として金を買わず円にしがみついていた方がよかったということになる。

レイ・ダリオ氏が金を推奨するのは今回が初めてではない。
しかも、金については調達通貨が何かによって状況が異なってくる。
このことは先述のダリオ氏の記事の最後に付記したとおりだ。

もしも、リスク・オフの円高という現象が続くなら、投資家がすべきは我慢ということになる。
リスク・オフでもおじけず、円高をあせらず眺め、海外資産・国内資産の価格が下がりきるまで待つというのが1つの方策となりうるのではないか。

なお、先述のリッツィ氏らは、米国がドル安誘導の介入を行う場合「金と円の両方が恩恵を受ける可能性があるとも指摘した」という。


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