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リスク・オフなら円安・ドル高:ヌリエル・ルービニ
2020年4月22日

世界金融危機を予想し《終末博士》とも呼ばれるヌリエル・ルービニ ニューヨーク大学教授が、リスク・オフのドル高を予想している。


今回の金融危機とリスク局面では、ドルが欧州と南アメリカ、スイスフランがユーロ圏、日本円がアジアのための安全逃避地となった。
3月9-20日の間、相関が崩れた状況で、ドルは天井破りの上昇をしたが、スイスフランや円のような他の安全通貨の価値はドルの流動性不足のため低下した。

ルービニ教授が、3月の荒れた相場について振り返った。
教授はドルの流動性の枯渇がドル高を生んだと説明したが、さらに今後の展望についても語っている。

ルービニ教授は、一時の混乱を脱し落ち着き始めたように見える為替市場について解説する。

「今ではドルの流動性問題はFRBにより正常化された。・・・
IMFは新興国市場向けに一部実行したが、資金不足により新興国市場通貨は対ドルで下落した。
しかし、米ドルとユーロ、円との関係は比較的安定した。」

新興国市場通貨が苦戦をするのはある意味理解しやすい。
同地域ではまだドル建て債務も大きく、ドル高は債務負担の増大につながる。
このリスクを回避するためドル買い・自国通貨売り等によるヘッジが行われるが、これが自国通貨をさらに下落させてしまう。

一方、ドルが対ユーロ、対円で落ち着いたのもわかりやすい理由がある。

米国はバカみたいに貨幣を増発しているが、欧州や日本も同様にバカみたいに増発している。

つまり、先進国通貨はどれも脛に傷があるのだ。
だから、相対的な為替レートが安定している。
(ある意味、先進国以外の通貨も脛に傷がある状態といえるだろう。)

最近《リスク・オフの円高》は継続するかとの議論が盛んだ。
円金利がどんなに相対的に安くても、円資産の中に投資に見合うものがなければキャリー取引の巻き戻しが起こらないと推測されるからだ。
その場合、円キャリー取引は一方通行の投資となり、日本からの資本逃避を連想させるようなものになりかねない。
こうしたアングルを主張する人、まだだと主張する人が、盛んに意見を述べ合っている。

ルービニ教授は、少なくともドルと円の相対的な価値について、リスク・オフの円安・ドル高を支持している。
そして《終末博士》らしく、さらなるリスク・オフ局面を予想している。
現在の株式市場の回復をデッド・キャット・バウンスにすぎないという。

もしも再び厳しいリスク・オフ局面になれば、たとえFRBが流動性を溢れるほど供給するにしても、市場が下落すれば、みんな安全を求めて米国債に殺到するだろう。
円やユーロが売られ米国債が買われ、米ドルが上昇するだろう。
米ドルは現在唯一の真の安全通貨であり、私は現在の市場はまだ底を打っていないと考えている。


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