ブラックロック

ラリー・フィンク:貸し手の日中を大切にすべき

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資産運用の世界最大手BlackRockのCEO、Laurence D. Fink氏は、ドル高が米経済に悪影響を及ぼしかねないと警告した。
国内産業の競争力低下により貿易収支が悪化しかねないため、米国の双子の赤字が再び拡大すると予想した。


「提起されている政策のいくつかは、さらに米ドル高を進める政策だ。」

フィンク氏はCNBCで、米ドル高が米経済の腰を折りかねないことを心配している。
ドル高は米産業の国際競争力を削ぐ要因となるからだ。
そして、金融市場は、この問題が市場のボラティリティの主因となりうることを認識し、十分に準備すべきという。

最近のドル高は、皮肉にもトランプ大統領の掲げた政策に市場が反応した結果だ。
その大統領はドル高を嫌い、他国が通貨安誘導をしていると非難している。

「この問題(ドル高)を巡って、トランプ大統領とFRBの間に大きな緊張が生じるだろう。」

ドル高が進む中、トランプ大統領がドル安を望むなら、FRBが進めようとしている利上げは邪魔でしかない。
しかし、FRBからすれば、インフレの兆候がはっきりと見える現在、為替のためにこれ以上利上げペースを緩めるというマインドはないかもしれない。
選挙中はFRBの金融緩和を強く批判していたトランプ大統領だが、持ち前の不整合から、今後も踵を返すかもしれない。

「貿易相手国に対する態度によって、米ドルにさらに影響を及ぼすだろう。」

この問題は、為替と貿易収支だけの問題ではない。
政権の掲げる財政拡大と相まって、双子の赤字の問題でもある。
そして、貿易赤字国の借金は、直接・間接に、その国に対する純輸出国からしなければならないのだ。

「もしも、財政赤字を税収でカバーするのでなく、借金で調達するなら、率直に言って、ドルや経済環境にさらなる圧力となる。
その舵取りは難しい。
中央銀行が(ドル高)トレンドを止めるよりはるかに難しい。」

借金をして財政刺激策を講じる場合、その効果は財政赤字より後に現れる。
フィンク氏は金融市場のプレーヤーらしく、投資家を大切にするよう諭す。
貿易相手国であり対米債権国である日中を念頭にこう語る。

「お金を貸してくれる人はいつも大切にすべきだ。」