ラインハート:ミサイルとレア・ディザスター・リスク

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レア・ディザスターが金融抑圧を生む

ラインハート教授は、レア・ディザスター・リスクが現在の世界的低金利を説明する一要素であるという。
2005年のベン・バーナンキ前FRB議長による過剰貯蓄仮説(Global Saving Glut)は経常黒字国における過剰貯蓄を論じたものだが、それをもたらしたのがレア・ディザスターである可能性が高いというのだ。


「もしも官僚が将来の(過剰貯蓄と同時に発生する経常収支の不均衡による)軋轢を心配すれば、『金融抑圧』によって実質金利を押し下げて財政スペースを作ろうというインセンティブが増すだろう。」

経常黒字国が経常赤字国からの批判をかわすために、財政支出によってISバランスをとろうとするとの読みだ。
1989-90年の日米構造協議の構図である。
ISがバランスするとともに経常黒字が均衡に向かう。
言い方を変えると、政府が財政赤字による財政支出増で国内需要を生み出せば、外需がへこむという話だ。

長期的金利低下のメカニズム

ラインハート教授は、レア・ディザスターが金利を低下させる長期シナリオを示唆しているのである。

レア・ディザスターへの恐怖が過剰貯蓄を生む。
過剰貯蓄が経常収支の不均衡を生む。
経常収支の不均衡が財政拡大を誘う。
財政拡大が金融抑圧を生み、金利が下がる。

「レア・ディザスター・リスクはそうした状況で要因となりうる他、ミサイルがやってきた時の金融市場の短期的動態を説明するにはもっと役立つかもしれない。」