モハメド・エラリアン:米ドルを減らせ

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独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、ブラック・スワンとして北朝鮮による近隣国攻撃を挙げた。
トランプ減税頓挫はすでに織り込み済みとして、今後は米ドルへのエクスポージャーを減らすよう説いた。


「減税その他の成長政策の議会通過に失敗するのは、すでに市場に織り込まれている点でブラック・スワンではない。
市場内の(価格)変動を見ればわかることだ。
市場はもはや政策期待による『トランプ・ラリー』ではなく、流動性ラリーに少々世界的なインフレ期待がプラスされたものになっている。」

エラリアン氏はFox番組でトランポノミクス頓挫の市場への織り込み度についてこう語っている。
この発言は、Societe Generaleが「トランプ減税が失敗に終われば世界の市場にとって現在最大のブラック・スワン・リスクになる」と表明したことに対するもの。
エラリアン氏によれば、この要因はすでに織り込み済みという。
エラリアン氏は最近、株価上昇を

  • トランポノミクスによるトランプ・ラリー
  • (トランポノミクスによらない)インフレ期待によるリフレ・トレード
  • 金融緩和がもたらす流動性ラリー

要因に分けて説明している。

「ブラック・スワンになるとすれば、地政学的なショックか、欧州でよほどひどいことが起きるかだ。
北朝鮮がミサイル実験から実際に日本、韓国、米領内をミサイル攻撃するなら、それこそブラック・スワンだ。」


なお、ソシエテ・ジェネラルは他にも、世界経済の成長鈍化、FRB引き締め、中国のハードランディング、欧州の不確実性などのリスクを挙げている。
多くのリスクが心配される中、株式市場は依然高値圏にある。
エラリアン氏は、高値圏にあったこれまでの投資戦略を入れ替え時期と性格づけた。

「金融や重工業を減らし、テクノロジー、出遅れセクター、特に新興国を増やし、とてもうまくいった。
株式市場の牽引役が米国から他市場に、米市場内ではテクノロジーへ移ったためだ。」

トランプ・ラリー当初は、トランポノミクスから直接恩恵を受けるセクターが買われる展開だった。
それが米国株であり、金融・重工業であった。
そうした買いが一巡すると、次は出遅れて割安感のあるセクターを物色する展開となった。
それも山を越えると、エラリアン氏の関心は為替に移ったようだ。

「今は、米ドルを減らしつつ、そのドルについてより多くのリスクをとるというもの。
引き続き出遅れたセクターを物色するが、現時点ではドルのリスクは小さく抑えたい。」

トランポノミクスへの期待が剥落しつつある中、ドル金利上昇期待も以前ほどではなくなるかもしれない。
これがドル安を連想させ、ドルへのエクスポージャーを減らせという結論になるのだろう。

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