海外経済

モハメド・エラリアンが引いている

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏の9日の発言: FRBによる追加資金供給策について、やや戸惑いを見せている。


驚くべきものだ。
FRBがやり尽くしたことが心配だ。
地方債やメインストリートを対象にしている。

かつて世界一の債券ファンドPIMCOを率いたエラリアン氏がBloombergで、9日朝に発表されたFRBによる新たな資金供給についてコメントした。

BOEに続いてFRBも政策手段において《未踏の地》ともいえる領域に踏み込んでいる。
米国には日本のように最終的な債務者に資金をつける公的金融機関はない(あるいは規模が小さい)。
日本の場合は、政策金融公庫等により、つまり財政政策の枠組みの中で、最終的な債務者に資金供給を行うことができる。
米国の場合、大規模な公的融資を行う仕組みがないから、FRBが民間銀行を経由して代理貸しのような形で資金供給しようとしている。
これは、FRBが自ら大きな信用リスクを取ることを意味する。
通貨の番人が大きな信用リスクを取ることの課題は明らかだ。

信用リスクといえば、もう1つ争点がある。
FRBによる買い入れ対象にジャンク債を加えるかどうかだ。
エラリアン氏は、ジャンク債を買い入れることはないと予想していた。

ハイイールドは対象にせず、そうすべきでないと私は考える。

エラリアン氏が「ハイイールドは対象にせず」といったのはやや苦しいいいわけかもしれない。
真実は、ある時点で投資適格級だったが、その後格下げされたジャンク級は対象とされることとなったからだ。
エラリアン氏は、これが大きな方針変更であると話す。
事実上、FRBが取るリスクは格段に大きくなりかねない。
エラリアン氏は、FRBの転換の意図を代弁する。

「『いいや、私たちは過去の時点で経済の写真を撮ったに過ぎない。
私たちは、絶対に流動性の問題が支払い能力の問題にならないようしたい。
だから、流動性の問題によって格下げされた企業を除外することはしない。』」

エラリアン氏はBOE、FRBとやれることをやり尽くしたと指摘する。
ECBと日銀はかなり前にやり尽くしていた。
つまり、先進国の主要中銀はやれることをやり尽くしたことになる。

彼らは明らかに、ダメージを封じ込めるためにあらゆる手段を講じようとしている。
この試みが短い突然の停止であることを祈っているのだろう。
そうでなければ、これは中央銀行にとってたくさんの問題をもたらす。

リスクは3つあろう。

  • コロナ・ショックが長引き、大規模な政策対応の副作用が危機の中で発生する。
  • コロナ・ショックは比較的短期間で収まるが、政策対応の巻き戻しに時間がかかり、経済・市場が過熱する。
  • エラリアン氏がいうような「やり尽くし」はまだ済んでおらず、さらに強い劇薬が用いられるようになる。

-海外経済
-,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。