投資

メルト・アップのリスクがある:ラリー・フィンク
2019年4月18日

資産運用の世界最大手BlackRockのCEO ローレンス・D・フィンク氏が、米市場のメルト・アップの可能性に言及した。
「リスク」シナリオとしながらも、債券市場で起こったような反騰が株式でも起こりうるという。


市場はメルト・ダウンでなく、メルト・アップのリスクがある。
株式市場がどの段階にあろうと、資金を生かし切れていない。
記録的な資金をキャッシュで持っている。

フィンク氏がCNBCで、株式市場などの市場で「メルト・アップ」が起こりうると予想した。
幅広い分野で投資が過小になっており、今後活発化する可能性に言及したものだ。
それほどまでに投資家の食欲は旺盛だ。

「インフラ事業だろうが他のものだろうが、何か独特で特別なものがあれば、それに対する需要は異常に強い。
わが社の顧客も実際、もっと(リスク資産への)配分を増やすよう希望している。」

なぜ投資家の食欲は旺盛なのか。
言うまでもなく、金余りと投資難がそうさせている。

(強気な)理由は、今の時代、特に現在、中央銀行がかつてないほどハト派であるためだ。
FRBはもはや量的緩和に関するやり方を変えないだろう。
良質の資産は不足している。

緩和的な金融環境の中で、マネーと良質の投資対象の需給バランスが崩れてから長い時間がたっている。
市場サイクルの終期、このミスマッチがもっとも大きくなる時期がある。
いわゆる《最後のひと上げ》だ。

景気が低迷している間には金融緩和政策がとられ、いつか景気は回復していく。
景気が回復すれば、金融政策は引き締める必要があるが、金融引き締めには勇気が要る。
緩和は後手に回ってもその刹那褒められることさえあるが、引き締めはたいがい非難される。
こうした力学の中で、サイクル終期、株価も景気も良好なのに金融緩和が温存される期間が生まれる。
そこで「メルト・アップ」が起こり、後に振り返れば《最後のひと上げ》になることも多い。

2018年の《最後のひと上げ》予想は、同年1月初めにジェレミー・グランサム氏が予想して始まった。
1月下旬にはレイ・ダリオ氏も市場が噴き上がると予想し、市場関係者を驚かせた。
ところが、その直後から世界の市場は調整に入り、両氏の予想は真逆の結果で終わった。

フィンク氏はフィクスト・インカム市場で昨年第4四半期以降に起こった大相場を解説する。

「たくさんの人が、金利が上昇期に入ったと考えていた。
実際はそうではなく、(フィクスト・インカムへの)投資は極めて過小になっていた。
それで、みんなフィクスト・インカムに殺到した。」

昨秋までFRBはタカ派に見えていたし、金融政策正常化を着実に実行していた。
これを見て、市場は金利上昇による債券価格下落を恐れた。
債券が売られ、それが長期金利を上昇させた。
ついに10月、金利上昇が株式等の市場を大きく揺さぶる。
FRBはハト派に転じざるを得なかった。
逆回転が始まれば、債券を持っていないことが逆に弱みとなる。
みなが債券を買い、金利はさらに下がった。

フィンク氏は、こうした市場の行き過ぎが株式市場でも起こる可能性があると考えているのだ。

まだ、私たちはこれを株式市場で見ていないと言いたいんだ。
言うなれば『好機を逃したから急いで参入しよう』というやつだ。


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