ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、コロナウィルスの状況について偏向する傾向のあるメディアと視聴者についてコメントしている。
メディアはウィルスに関する最悪の数字を垂れ流し続けている。
米国では先週、1日あたり平均5万人の感染者が確認され、米国での新記録となった。
7月5日の死亡者数が251人と、エピデミックが始まって以来最小となったことは報道されない。
シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、米国でのコロナウィルス感染状況が一概に悪化しているとは言えないと指摘した。
過去のピークでは1日の死者が2,749人だったから(感染者のプロファイルに変化があった等の要因もあろうが)トータルで死亡率が低下したのは事実だ。
教授はこれを「完全に間違えようのない」ことと指摘している。
本筋とは逸れるが、読者は感じたのではないか。
東京で感染者が100人を超えて大騒ぎしている時に、米国ではまだ毎日250人も死んでいる。
(ちなみに総人口は日本が1.2億人、米国が3.2憶人だ。)
我が国のリーダーの評価は読者の判断に任せるが、米国のリーダーの質はやはり問題なのではないか。
さて、さまざまな要因もあろうが、死亡率が下がっていると確信したシーゲル教授は、先週のCNBCでそう発言した。
すると放送後「ヘイト・メールの洪水」を受け取ることになったのだという。
大統領も大統領なら、アンチもアンチなのだろう。
シーゲル教授は苦笑しながら語る。
「私は明るいニュースを伝えたかったのだが、明るいニュースは標準的なメディアでは許されないらしい。
・・・
ある記事を読んだところ、死亡率が疾病予防管理センター公式の測り方で低下を続ければ・・・エピデミックは1-2週間のうちに終わる(と認定される)そうだ。」
米国でのコロナウィルスの状況が引き続き深刻であることも、近時に再度悪化しそうなことも事実だろう。
一方で、最悪期に比べればかなり改善しているのも事実なのだろう。
興味深いのは、視聴者のみならずメディアの側がかなり悲観論に偏る傾向がある点かもしれない。
市場の動きには、そのバイアスを見透かしているところがあるのかもしれない。
もちろん現時点でどちらの読みが正しいのか、確たる答を持つ人はほとんどいないはずだ。
投資家は今後も選択を迫られるのかもしれない。
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