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マーク・ファーバー氏が下した株式のジレンマの中での決断
2019年12月4日

スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が月例書簡で、謙虚さについての2人の人物の言葉を紹介している。


ベンジャミン・フランクリンがこの世界における外交政策について痛感していたことがある。
少なくともいくらかの謙虚さを示す必要があることだ。
強国であればなおさらだ。
(歴史家ウォルター・アイザックソン)

上昇したいなら、下降することから始めなさい。
雲を貫く塔を作りたいなら、まず謙虚さの土台を作りなさい。
(神学者アウレリウス・アウグスティヌス)

こうした話をファーバー氏は投資家への書簡のテーマとした。
1つの理由として、ファーバー氏は、感謝祭の季節に考えるのに適しているためとしている。
自身は良い国・良い家庭に生まれ恵まれた人生を送ったとし、この書簡の読者にも似た境遇の人が多いだろうと推測している。
そしてその幸運に感謝すべきと説いている。

もちろんファーバー氏がいいたいのは、その対極にある現実だろう。
世界一の大国が謙虚さを失い、傲慢な振る舞いを続けている。
建国の父の1人に挙げられるベンジャミン・フランクリンの教えを忘れたとしかいいようがない。
しかも、そうした態度が国家や国際社会のためというより一部の人たちの利益のために行われているようにさえ見える。
ファーバー氏はそうしたことを直接的に述べることなく、対極の考えを説くことで、批判の対象をあてこすっているのだ。

そしてもう1つ。
不幸にして恵まれない環境に生まれた人たちへの目配せだ。

現実に私は一貫して追い風を受ける人生をスタートした。
一方、極度の貧困の中に生まれた人たちは、いつも強い向かい風の中で人生を送っている。

多くの投資家が格差問題を心配しだした。
資本家の立場に立つはずの投資家が自身の対極にある貧困を心配しだした。
そして格差とは国内だけでなく国家間にも存在する。

ファーバー氏はこうした問題に多くを割いた後、世界の株式市場にも短く触れている。
世界の株式市場はジレンマに直面しているという。

米国のように表面的に経済が『良好』な市場では、いっぱいいっぱいの値付けがされている。
一方、比較的割高でない新興国市場や欧州市場は、経済がまだ弱いかすでに事実上景気後退入りしているために、即時に上がる可能性はないように見える。
このため私は、株式へのエクスポージャーを緩やかに資産の25%から20%に減らしているところだ。

ファーバー氏は以前から自身の資産配分を株、不動産、現金・債券、金に1/4ずつと話してきた。
それは、過去数年、米市場が最高値を更新する中でも変えてこなかった。
ところが、米国株にも欧州株にも新興国市場株にも魅力がなくなった。
ついにファーバー氏は、株式の構成比を減らす決断に至ったようだ。


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