海外経済 投資 政治

マフィア以下の人たちがくれるチャンス:マーク・ファーバー
2020年11月14日

真っ黒なマーク・ファーバー氏が、ポリティカル・コレクトネスをかなぐり捨てて、各国の経済政策に毒を吐きまくっている。


中国は基本的にある意味完全に回復した。
しかし、これもまた見せかけだ。
回復の多くが貨幣増発によってファイナンスされており、これは持続的成長にはつながらない。

ファーバー氏がシンガポールSilver Bullion TVで、財政政策に頼った各国の経済政策を批判した。
財政政策に依存する経済成長はそれを止めた時に剥落すると言いたいのだ。

批判の対象は中国だけではない。
むしろ中国は程度の小さな方だったかもしれない。
ファーバー氏によれば、中国経済はまだ飽和しておらず、今後コロナ前を超えることは可能だろうと予想する。
一方、先進各国にはそうした伸びしろがないため、回復には時間がかかるという。
また、中国ではインフラや技術への投資がうまくいっているように見えるが、米国では停電や山火事などを見る限り、必ずしもうまくいっていないと指摘した。

私は常に政府支出には反対している。
あまりにも無駄が多く、盗みが多いからだ。

オーストリア学派とされることもあるファーバー氏は、とにかく小さな政府を求め、政府による経済・市場への介入を嫌う。
根拠の1つは、前世紀に経験した東西冷戦の終焉にあるようだ。

「1つ私が言えるのは、小さな政府は常に経済成長につながるのに対し、大きな政府は現実に経済成長を阻害するということだ。
換言すれば、政府が大きくなるほど、経済のダイナミズムが失われる。
この極端な例が社会主義・共産主義体制の計画経済であり、政府がすべてを計画する結果、経済が縮小してしまった。」

社会主義・共産主義が特に経済運営において致命的欠陥を抱えていたのは事実なのだろう。
しかし、一方で市場原理のみで動く純粋資本主義が支持者のいうほどには機能していないのもまた事実だろう。
アジアには《中庸》という叡知が受け継がれているが、ファーバー氏にはそういう間を取るというようなところは見えない。

みんな政府の介入を求める。
彼らに言いたいのは、社会主義・共産主義の下ではすべての人の生活水準が下がったということだ。・・・
若者はいつも政府の介入を支持するが、介入が増えるほど経済成長が少なくなることを思い出さないといけない。
そして、自由も少なくなる。

ファーバー氏の考えに極端なところがあるにせよ、その指摘には傾聴すべきところも多い。
そもそも、途上国の段階の経世済民ならいざしらず、先進国に成長した経済が具合が悪くなる度に政府のテコ入れを受けるのはいかがなものか。
(もちろん、大きな問題ではテコ入れ(刺激策)が必要だし、困窮者の救済には社会保障が必要だ。)
少し経済に逆風が吹くと政策対応を話題にする政治・メディアの姿勢に問題がないとはいえない。
経済とは民間が動かすものであり、ほとんどの民間事業者はそう考えているはずだ。
仮に、少々の逆風で政府の救済を求めるような民間事業者がいるなら、そうした事業者は強固な経済を構成するのに役立たない、救う価値のない事業者なのではないか。

真っ黒なファーバー氏は各国で結果的に進んだ貨幣増発について、言葉の限りディスっている。

「資産の量は限られているが、各国中央銀行の知的な学者たちのおかげで紙幣の量には限りがない。
私が言えるのは、金・銀・プラチナを保有しない人は、中央銀行家や政治家のインテグリティを高く信頼していると表明していることになる。
あなたが貴金属を保有しないなら、それは『私はワシントンを信用しFRBの学者を信用する』と言っていることになる。
彼らは人生で働くこともなく、役に立たない学術論文を書くだけだ。
リムジンで送り迎えされ、貧しい家庭がどんな状況で暮らしているか知ることもない。」

ファーバー氏の悪態は続く。

「マフィアは政治家のように振る舞うのを好むが、実のところ、政治家はマフィアより質が悪い。
マフィアはもっとインテグリティがある。
言ったことを守る。・・・
政府高官には誠実さがない。
しかし、彼らは権力の座にとどまり権力を強めるためならなんでもする。」

ファーバー氏は、貨幣増発が今後も続くと予想する。
刷ったお金で国民の歓心を買い続けるためだ。
だから、政府を100%信じないなら、貴金属、もしかしたら暗号資産を持つべきだと説いている。

ファーバー氏は、ドルだけでなくすべての紙幣が政府・中央銀行発行のデジタル通貨に置き換わると予想する。
しかし、それが政府発行である限り、同氏は信じない。
だから、貴金属が一番信用できるという。
ただし、この半年、市場の話題の的だった金を特に奨めるわけではない。
相対的な価格でいえば、金は他のコモディティ(原油、農産物、銀、プラチナ)と比較して割高だとし、分散を奨めている。
また、金鉱株は比較的割安だと話した。

ファーバー氏は、もう1つ価値の保蔵手段として用いられている資産クラスがあると話している。

株式市場はある程度ドルの代わりを演じているといえる。
富裕層は、例えば100億ドルも現金・預金・米国債でしまっておかないだろう。
100億ドルを株式市場に投資しているんだ。


-海外経済, 投資, 政治
-, , , , , ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。