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マイナスの実質金利が居座る投資環境:ジェレミー・シーゲル
2020年8月27日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が米金利の推移を予想し、その想定の下での債券・実物資産・ドル相場について語っている。


もしもFRBが本当にインフレ退治に真剣なら、もう利上げを始めなければいけないはず。
でも、政治的圧力が圧倒している。

シーゲル教授がウィズダムツリーのポットキャストで、米金融政策が長い間拡張的なままに据え置かれると予想した。
以前から教授は米金利について長短に分けて予想してきた。
短期金利はFRBがFF金利を介して操作し、雇用が回復するまで超低金利が維持されるという。
長期金利はFRBが操作せず(イールド・カーブ・コントロールが採用されず)緩やかに上昇するというもの。
シーゲル教授は、名目金利だけでなく実質金利についてもヒントを出している。

長期金利は上昇を始めるが、インフレは、長期金利の上昇以上に上昇するだろう。
結果、実質金利はマイナスのままだろう。

つまり、長期レンジにおいてもインフレが名目金利を上回る状態が続くと見ているのだ。
経済が回復する中で長期の実質金利がマイナスのままで推移するという予想は今1つ理解しにくい。
シーゲル教授は、FRBが長期金利を操作することはないと考えているからなおさらだ。

ただし、この疑問も現実的には無用の心配かもしれない。
多くの人が、FRBは短期だけでなく長期の金利も気にかけていると考えている。
長期金利が足早に上昇を始めればFRBがストップをかけると見るのは、過去の紆余曲折を思い出せば当然のことだ。
マイナスが維持されるかどうかは明らかでないが、長期の実質金利が極めて低く推移するというのは受け入れられやすいシナリオだろう。
そして、実質利回りがマイナスか極めて低いという想定では、国債の魅力は大きく減じられてしまう。

シーゲル教授は、大統領選の結果にかかわらず債券の魅力が失われたままになると予想する。

バイデン候補が勝利すれば、政治的圧力はさらに強まり、失業率が5-6%に下がるまで利上げはなくなるだろう。
そこまで下がるには長い時間がかかる。
結果、今後の環境下では金、コモディティ、実物資産がとても魅力的であり続ける。

マイナスの実質金利が維持されるというシナリオは、実物資産等だけでなく為替にも大きな影響を及ぼす。
経済回復とともに実質金利が上昇していくという想定ならばドル高シナリオを描きうるが、上昇しないならそうもいかない。
逆に、最近のFRBの金融政策の規模が相対的に極めて大きいことはドル安を連想させる。

ドル安は株式や金にとって追い風だ。・・・
トレンドはまだドル安であり、経済が回復するにつれて流動性がインフレに油を注ぐだろう。


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