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マイナスのリターンと価格の前触れ:マーク・ファーバー
2020年5月3日

スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が、急激に変化する経済・市場について長期的視点から捉えなおしている。


準備しろ!
将来のいつか、あなたの子供や孫が現在の経済停滞について尋ねるだろう。

ファーバー氏が月例書簡で、将来私たちが若い世代とかわす会話を予想している。

子・孫:
死亡率で見てこんな些細なパンデミックが、どうしてこんな世界経済の惨事を引き起こしたの?

親:
2008/2009年の危機の後の回復は人為的なものだったんだ。
債務でファイナンスされ、財政赤字と貨幣増発をともない、それらが金融システムを極度に不安定かつ脆弱にしてしまった。
さらに、危機が起こった時に米国株が割高だったんだ。

孫:
おじいちゃん、どうして世界中のお金が米国に流れ込んで、米ドルを含む資産価格を押し上げたの?

ずいぶん賢いお孫さんだが、確かに後になってみればこうした疑問を抱く人がいてもおかしくないのかもしれない。
ファーバー氏は最後の質問への答を明記してはいないが、大昔の経済学者の言を借りて、集団心理によるものと示唆している。

ファーバー氏は3月半ばに市場が売られすぎの状態になったと指摘している。
そこから米国株は大きく戻してきた。
現在はもう売られすぎではないとし、5月の季節性からも今後は弱い地合いになると予想している。
同氏は、先月のマイナスの原油先物価格に言及し、不吉な先行きを予想する。

4月20日のマイナスのWTI原油価格は、金融不安定と一様な投資家による過度な投機の兆候だ。
さらに、ゼロ未満の原油価格はほとんどの資産のマイナス・リターンの前触れで、一部の資産のマイナス価格の前触れかもしれない。・・・
コロナウィルスが2020年の停滞をもたらしたのではない。
それは貨幣インフレ的な信用バブルを永遠に弾けさせ、すべての資産価格を押し下げ、無能な政治家の貴重な助けにより厳しい経済的困難に導いたのだ。

過去の政治や金融政策に何か失策があったのではないかとの疑念はなかなかぬぐえない。
根本的な問題として経済・市場がバブル状態にあると疑うのももっともなことだ。
しかし、足元の停滞がコロナウィルスによるロックダウンによるものではないとの考えに諸手を挙げて賛成するのも難しい。
ウィルスなしで経済・市場がこれほど打撃を受けただろうか。
弱気派の主張はこの点で説得力が十分とはいえまい。

最近、多くの人がFRB創設の趣旨や連邦準備法について語りだした。
多くの人がFRBによる経済・市場への支援策に心配している。
ファーバー氏もその1人。
連邦準備法に署名した大統領ウッドロー・ウィルソンの慚愧の念を引用している。

もはや自由な意見による政府ではなく、確信と多数決による政府でもない。
少数の支配的な人たちの意見と強要による政府となった。


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