海外経済 投資

組み込みを検討すべき資産クラス:ロバート・シラー
2020年3月23日

ロバート・シラー教授が、コロナ・ショックに対する投資スタンスについてアドバイスしている。


私はこれをコ・エピデミックと呼んでいる:
1つがコロナウィルス、もう1つが経済への信頼感と見通しに関するナラティブのエピデミックだ。
これは新しく、急速で、感染力が強い。

シラー教授がReutersのインタビューで、急速に伝染しているのがウィルスだけでないと話した。
ウィルスの被害だけでも大きいのに、それにパニックした人々の行動が被害を大きくしていると暗示したものだ。
教授は、みんなウィルスの話ばかりしていると指摘する。
これが、経済・市場を不必要にアンダーシュートさせかねない。

シラー教授は、コロナウィルスの教訓を尋ねられると、人々がウィルス感染・エピデミックの脅威を認識したことだと答えている。

「インフルエンザは毎年やってきて、数千人がなくなるが、それについてみんなあまり関心を持たなかった。・・・
今ではみんな、コロナウィルスが変異し今より致死率が上がるのを心配している。」

同じく多くの人がなくなっているのに、以前は気にもとめなかった。
それが、今では大きな注目を浴びている。

同様の変化は経済についても起こっているとシラー教授は話す。
トランプ・ナラティブの終焉である。

米国では、大きな生活をし、大きく見せ、大きくお金を使うのを見せるべきとの強力なナラティブがある。
経済を押し上げるのに役立ったのかもしれないが、そのナラティブは今や色あせた。

トランプ氏が大統領選で勝った直後から、リスク資産のトランプ・ラリーが始まった。
景気がそう悪くない中での拡張的金融・財政政策は、株式市場を押し上げ、大統領再選も盤石のように見えていた。
しかし、コロナ・ショックに端を発する市場下落で、米市場はトランプ・ラリーの上げをほぼ消しつつある。

シラー教授は、米市民が失業や医療費を心配し始めていると観察する。
しかし、米国はそれを払拭する準備ができていないという。

シラー教授は、今回の下げがコロナウィルスという「大きな外因性の危機」に由来するものであり、極めて特殊なものと指摘する。
だから、過去10年のように押し目買いが報われるとは限らないとし、下げがまだ続く可能性もあると話した。
資産クラスについて、いくつかコメントしている。

  • 株式: 高ボラティリティが継続。
  • 不動産: 金利低下で上げる可能性もあるが、すでにピークであるように見える。
  • 債券: 金利上昇による価格急落リスクがある。

シラー教授は、投資について過度に悲観すべきでも過度に楽観すべきでもないとアドバイスしている。

全部売ってしまう時と考えるべきではないし、買いの大チャンスだといって市場でレバレッジをとろうとすべきでもない。
・・・おそらく現金こそ分散ポートフォリオにおける検討すべき選択肢だ。

新型コロナウィルスが騒がれる前、モハメド・エラリアン氏が現金保有を奨めたことがあった。
キャスターの反応は「現金の投資先を必死に探しているのに」というもので、笑いを誘った。
今回シラー教授も現金を奨めており、投資家からすればがっかりだろう。
しかし、教授は「現在安全な選択肢はない」と言い切っている。
投資家の悩みは続く。


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