著名投資家レオン・クーパーマン氏は、昨年は「フルインベストのベア」と言っていたが、今は「ネット68%ロングのベア」になったと話している。
「私のポジションはネットで68%のロングとなっており、まだ弱気派だ。
米国の歴史上最も無責任な財政・金融政策が行われ、将来から前借し、その代償を払わなければならない。
FRBは完全に失敗した。」
クーパーマン氏がCNBCで、依然として弱気スタンスだと述べ、理由として米経済政策の失敗を挙げた。
2017年には(連邦)政府債務は20兆ドルだったが、2021年には30兆ドルと4年で50%増えた。・・・
私たちはいまだに困難の中にあると考えている。
金融政策にしても財政政策にしても、将来のの需要を先食いする面が強い。
とりわけトランプ政権以降は先食いが日常化し、パンデミックで決定的になった。
それが、連邦債務とFRBのバランスシートの爆発的な拡大に表れている。
クーパーマン氏は昨年6月のインタビューで自身を「フルインベストのベア」と形容した。
ベアでありながらフルインベストとは、金融緩和が継続しており、相対的に有利な株式を持たざるをえなかったためだ。
今回は同氏はネット68%のロングだ。
かなりロングが減っている。
この変化の理由としてクーパーマン氏は、強気相場の兆候が見え始めたためと話している。
具体的には、高インフレとFRBの金融引き締めスタンスだ。
78歳の投資家は、株価とインフレの関係をわかりやすく解説した。
インフレとは歴史的に普通株にとって有利なものだった。
インフレでは、企業はコストを売価に転嫁でき、それが名目の売上と利益を増加させるからだ。
インフレが問題になるのは、中央銀行がインフレを退治しようとする時だ。
クーパーマン氏は、インフレを抑制することと経済成長を抑制することは同じことだと指摘し、今まさにそれが起こりつつあると話している。
景気後退は年内にはないが、2023年となる可能性があるという。
景気後退の前にやってくる弱気相場については、すでにセクターごとに見え始めているという。
今は用心すべき時だ。・・・
弱気相場では一番負けなかった者が勝者になる。
今年は今日まですばらしく儲かっているが、損をするための準備をしている。
クーパーマン氏は、大きな保有銘柄であるアルファベット、アマゾン、マイクロソフトについて「オプションを売った」と話している。
アップサイドをあきらめ、カバード・コールを採ったものと推測される。