ボラティリティ上昇時の退避先なら短期米国債、日本円、金:HSBC

HSBCが1千万回におよぶシミュレーションを行い、リスク・オフの局面で優れた退避先となる資産クラスを選定している。
株式ボラティリティ上昇に際して最良の退避先となるのは短期の米国債、続いて日本円、金なのだという。


「米国債と株式の相関は、債券がドライバーとなる株式下落において上昇しうるが、『質への逃避』が起これば速やかに負の相関に戻る傾向がある。
したがって、株式市場が売られる局面でも、私たちの分析によれば、短期側の米国債に多く配分することが最適となる。」

HSBCのPierre Blanchet氏の説明をCNBCが伝えている。

先入観を持たずに考えれば、株と債券を共に保有することは当然の分散投資のように考えられる。
しかし、ことはそう単純ではない。
市場が金融相場の性格を帯びていると、金利が上昇(=債券価格が下落)すると株価が下がり、金利が下落(=債券価格が上昇)すると株価が上がるようなことが起こる。
前者は昨年10月からの米国株市場の下落だし、後者は金融緩和に対して株価が上昇で反応する場合などだ。
こうしたケースでは、株式と債券が同方向に動くために分散投資の効果が得られにくい。


HSBCの分析は、もう少し動的に市場を捉えている。
仮に株式と債券が一時的に同時に売られても、ほどなくして両者は逆方向に動き出すという現実を指摘しているのだ。
この場合、分散投資は再び機能を取り戻すことになる。

HSBCは日本円について、リスク・オフの円買いは動かしがたいと指摘する。

世界の金融市場でレパトリの期間に入ったとしたら、日本人にありがちなホーム・バイアスが、外国投資家の日本への投資の引き揚げを上回るだろう。
結果、世界の金融市場でのリスク・オフの動きは円高につながることになる。

日本円が安全資産なのではなく、日本人が行っている莫大な対外投資が巻き戻るから円が買われるのだ。
皮肉なことに、日本は困った時に通貨高を被る構造が続いている。
これは真実が半分、単なる思い込みが半分なのだろう。

同じ通貨で安全資産との印象が強かったスイス・フランについて、HSBCは、安全逃避先としての効用が見込めなくなっているという。

「危機後の期間にスイス・フランは、市場がストレスを受けている際の現地投資家の資産のレパトリの恩恵を受けた。
しかし、2011年にユーロ/スイス・フランのフロアを導入したことで、スイスには外国投資家からの大きな累積的資金流入が起こった。
今では、危機後の時期の国内投資家の動向より、外国投資家の動向の方がはるかに大きな要因となっている。」


 - 投資 , ,