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ボラティリティとダウンサイド:ブラックストーン

ブラックストーンのジョー・ザイドル氏が、米国株市場におけるボラティリティ上昇を予想し、ダウンサイド・リスクを警告した。
市場は米中交渉の先行きを楽観しすぎているという。


これはすべて貿易交渉に関して再び沸き上がった楽観の反映なんだ。
・・・
貿易の問題には早期の解決は考えられない。
史上最高値にせまるこの動きは単なるフェイントだと思う。

ザイドル氏がCNBCで、近時の市場の回復が一時的なものに終わると指摘した。
「楽観」は、米政府が10月に中国と交渉を再開すると発表したところから始まった。
長期金利が上昇し、心配されていたイールド・カーブはやや立て直した。
株式が買われ、クレジット・スプレッドも落ち着いた水準にあった。
これは、市場が先に勝手に米中交渉の進展を織り込んだことを意味する。
ザイドル氏は「この新たな希望」を充足することは難しいと主張する。
過剰な期待が市場にダウンサイド・リスクを生み出したという。

ザイドル氏は、米中交渉が早期に結果を出せないわけを説明する。

「中国の最近の貿易戦争での行動を見ると、基本的に米国に対して関税引き上げで報復している。
その一方で、米国以外の国々へは関税を引き下げている。
換言すれば、中国は長期戦の用意ができている。」

能天気な米市場とは異なり、実際のところ日本人のほとんどは米中交渉が容易に結果を出せないことを認識している。
しかし、米長期金利が上昇すればドル高となり、パブロフの犬のような日本株の投資家はリスク・オンに転じる。
「この新たな希望」がぬか喜びに過ぎないなら、日本市場も揺り返しに覚悟しなければいけなくなる。


ザイドル氏は、好調な金相場にもコメントしている。
金もマイナス金利の債券も何も生み出さないが、少なくとも金にはアップサイドがある。
これが買われる理由だという。
金も暗号資産も目くそ鼻くそと感じさせる話であり、そこに債券という社会的に重要な役割を担う資産クラスが加わったところに危うさを感じさせる話だ。

ザイドル氏は、金には今後も上げる材料が出てくる可能性があるという。

「ECBは利下げせざるを得ないし、大幅なQEパッケージも実行せざるを得ないだろう。
そうすると、欧州の金利はさらに下がり、また少し金価格を押し上げるだろう。
私の予想どおり市場が下げれば、これも金価格上昇になる。」

ザイドル氏は、イールド・カーブを「景気・経済サイクルの最良の先行指標」だとし、8月に世界の7-8か所でイールド・カーブが長短逆転したことを指摘した。

「これは2006-07年以降最多だ。
世界中で経済的問題が醸成されていることを暗示している。
・・・
それはある時点で何らかのクレジット・イベントを引き起こすことを意味する。」

ザイドル氏によれば、逆転から景気後退まで平均で20か月あるという。
しかし、同氏は、実際には平均より長くも短くもなると釘を刺した。
ダウンサイド・リスクを主張するザイドル氏にはやや弱気の風が吹いているようだ。
「ある時点」が市場の想定より早く到来すると考えている。

「この景気拡大の終わりについて、長くなるか短くなるか決めなければいけないなら、現時点で私なら短くなる方をとる。」

ザイドル氏は、年末までの予想として、4月の高値が年内の高値になると予想した。

年初私たちはS&P 500の目標を15%上昇の2,900とし、すでに実現した。
この目標を継続し、ボラティリティ上昇とダウンサイド・リスクを予想する。


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