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Blackstone ベータだのみは終わりアルファの時代に:ブラックストーン
2021年12月5日

ブラックストーンのジョー・ザイドル氏は、経済・市場のセグメントごとの差が開いていくとして、今後は選別重視の投資に努めるべきと説いている。


今後数四半期は差の開く市場環境になるだろう。
企業収益は成長を続けるだろうが、高いバリュエーションと圧迫されていく利益率により公開市場の株価倍率が拡大するのは難しくなる。

ザイドル氏が投資家向け書簡で書いている。

経済・企業収益は好調でも、資産価格も上昇してきており、バリュエーション(倍率)がこれ以上拡大するとは望みにくいという考えだろう。
もちろんこの背景には、財政・金融政策ともにじきにピークアウトせざるをえないとの見方があるものと推測される。
市場全体の上値が重くなっていくなら、次に考えるべきは資産クラス・セクター・個別銘柄における選別ということになる。

その前提として、ザイドル氏は地域ごとの状況をまとめている。

  • 米経済はまだ有望: パンデミック解消、財政政策に期待するほか、まだ金融は緩和的。
  • 中国:「共同富裕」のスローガンの下、サービス化や消費主導の経済へ。
  • 欧州: 米国と比べ賃金・家賃によるインフレでないため、インフレはじきに低下し、金利は低水準のまま。
  • 新興国: コストプッシュ・インフレ対策で金融政策が引き締め的となり、スタグフレーションのリスク。

地域だけを見ても、状況はマチマチだ。

ザイドル氏は、これまで長く続いてきた強気相場における考えを、特に米市場について大きく転換するよう促している。

この環境において、米国ではますますアルファを生み出す能力がアウトパフォーマンスに必要になっていく。
このシナリオは、セクター・戦略・資産クラスとは比較的無関係にベータだのみの戦略が恩恵をもたらした前回のサイクルとは対照的だ。

「ベータだのみの戦略」とは、市場リスク(βリスク)を取ることで利益を上げようというやり方。
市場が上昇しているうちはうまくいく。
この10年あまり、素人を肥やし、プロを廃業に追い込んできた強気相場では、これがうまくいった。
(目いっぱいインデックスを買った投資家が儲かった。)
よく言えば長期投資だが、悪く言えば長めのホライズンで構える、一種のマーケット・タイミングともいえる。

一方アルファを狙う戦略とは、(βへの)リスクテイクが当然もたらすリターンを上回るリターンを得ようとするもの。
まさに、選別によるアウトパフォーマンスだ。

ザイドル氏は、いくつか注目の投資アイデアを挙げている:

  • 英国など、個人消費が堅調でワクチン接種が進んでいる国際市場
  • インドなど、消費の成長が見込まれ海外からの投資でインフラ整備が期待できる途上国
  • 天然ガスなど、化石燃料の中ではましだが過小投資となっているエネルギー分野
  • エネルギー分野のミッドストリームなど、インフレへの配慮のある高利回りのMLPやC-Corp

ホリデーシーズンを控え、バイロン・ウィーン氏との「びっくり10大予想」作成が本格化しているようだ。
(2021年版はこちら
ザイドル氏が参加するのは4年目。
10項目あまりのリスト作成のため、両氏は秋から準備を始める。
来年版の発表は1月3日を予定しているという。


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