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ブームと破裂のサイクルは終焉した:ブリッジウォーター
2020年1月25日

ブリッジウォーターでレイ・ダリオ氏らと共同CIOを務めるボブ・プリンス氏が、経済・市場の振幅の大きなサイクルは消滅するだろうと予想している。


2018年みんな教訓を学んだのだと思う。・・・
おそらくブームと破裂のサイクルが終焉を迎えたことをそれが示している。

プリンス氏のBloombergでの発言が2人のキャスターを驚かせた。
同氏が言いたいのは、景気・市場の振幅の大きな循環がなくなるという話であり、《今回は違う》という話だからだ。
プリンス氏は、この驚愕の発言の理由を説明する。

「過去の数十年の歴史は、信用と金融政策の変化によって動かされてきた。
しかし、今やFRBはボックスに封じ込められた。
引き締めも緩和もできない。
特に準備通貨を発行する中央銀行はそうだ。」

プリンス氏は、世界の中央銀行が2018年ボックスに封じ込められたことを悟ったと言いたいのだ。
金融引き締めは経済・市場を冷やすだけでなく、金融政策のパスを狭めてしまう。

「引き締めを行わない理由の1つは、緩和できないためだ。
緩和できないなら、引き締めを行って問題を起こしたくないはずだ。」

かくて金融緩和は常態化していくしかない。

プリンス氏は、低金利の背景に趨勢的な低成長があると指摘する。
それと同時に、実質金利がマイナスになっているのは中央銀行によるものとも述べている。
中央銀行が金融刺激策として現金・債券の魅力を奪っているのだという。

「中央銀行は現金・債券に取り付き、それを投資対象でなく調達手段にした。
そして低金利を維持し、マネーが債券から資産に向かうようにしている。」

レイ・ダリオ氏は先日「現金はゴミ」と何度も繰り返し、視聴者を驚かせた。
プリンス氏の指摘と組み合わせて考えるなら、中央銀行は自身の借金である通貨をゴミにしようとしていることになる。
こうした無責任な債務者への債権(中央銀行券)を用いざるをえない市民はどうすればよいのか。

プリンス氏は具体的なアイデアを語らなかった。
ただ、いくつかの資産クラスについて考え方を示している。
まずは債券。

「現金との比較において債券を見るなら、それほど悪くない。・・・
(債券の)現金に対するスプレッドは、現金が最低であるために、まだ良好だ。」

もちろん名目利回りがプラスである米国での話だ。
現金はインフレをもろに受けるが、債券に何がしかの名目利回りがあれば、それを少しオフセットできる。

2つ目は、ダリオ氏が分散のために少額ポートフォリオに組み込むよう奨めている金だ。
プリンス氏は、金が「決定打」にはならないとしながらも、金を組み込むことの意味を明解に解説している。

「金はマネーの価値の逆数にすぎない。
量的緩和を進めるにつれ、マネーを建値とした金の価値が上がっていく。
趨勢的にそうなるだろうし、インフレや危機へのヘッジとしてもうまく働くだろう。」

プリンス氏は金融抑圧の続く投資環境を端的に説明する。

資産価格は全然安くない、高い。
・・・
経済活動の水準に比べて金利が異常に低い。
今の状態を続かせるために意図的に維持されている。


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