ブラックロック

ブラックロック:債券投資のもう一つの価値

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資産運用の世界最大手BlackRockのRuss Koesterich氏が、株式と債券の相関について論じている。
債券には利回りをもたらすだけでなく、分散に寄与する価値があると主張する。


「当然のことなのだが、株と債券の相関は常に負ではないことを認識することが重要だ。
実際、長期で見た株と債券の相関は平均するとほぼゼロである。
とは言え、2つのまったく異なる期間で平均は大きく異なる。」

Koesterich氏は自社のブログで、株価と債券価格の相関の変遷について語った。

相関は転換する

同氏は1980年代以降を2つの時期に分けて論じている。

  • 1980年代からITバブル崩壊; 正の相関(平均は0.50)
    金融政策が重視された時代。
  • 2000年初めのITバブル終焉以降: 負の相関
    今日まで至る低成長時代。

少し検証するために、米株価指数と米10年債利回りの逆数を並べてみる。
米10年債利回りの逆数は、米10年債価格の代用である。


米国株(Russell 2000指数、青、左)と米10年債利回りの逆数(赤、右)
米国株(Russell 2000、青、左)と米10年債利回りの逆数(赤、右)

つぶさに見ると、確かに前半と後半で相関が逆転している。
Koestrich氏は転換点を2000年と言っているが、このグラフを見る限り、アジア通貨危機の翌年1998年頃にも見える。

この話には前がある

株式と債券の相対価格を見る手法では、いわゆるFEDモデルが有名だ。
ジェレミー・シーゲル教授は著書の中

「インフレが重大な問題となる1970年代以前には、債券利回りと株式益回りの間に何の相関もなく、FEDモデルが機能していない」

と書いている。
つまり、1970年代までは相関がなく、1980-90年代は正の相関、2000年以降は負の相関となっているのだ。
このように、両者の相関は一定しない。

(次ページ: 利回りだけが債券投資ではない)

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