
ファーバー:貴金属でリスク・オフ、分散投資を
スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が、高騰する資産価格を懸念し、安全資産としての貴金属を推奨した。
先行きの見通しが悪い中、分散投資を徹底するよう勧めた。
米国株が史上最高値を更新しようがめげることがない。
ファーバー氏はFoxのインタビューで得意の弱気予想を展開した。
「2000年、NASDAQのバブル(ITバブル)があった。
2007年、住宅バブルと株式バブルがあった。
しかし、そうした時もすべての銘柄が上げたわけではなかった。」
と、過去のバブルと現在の状況を比較して説明を始めた。
「しかし、今は不動産価格も高い。
海外は必ずしもそうではないが、米国株も高い。
歴史的水準に照らして、世界中に5,000年の歴史上最も高い市場がある。
マイナス金利と12兆ドル以上の債券の市場だ。」
齢70歳を迎えたファーバー氏をもってしても、現在の状況・将来の行方を経験から推しはかることは難しいようだ。
状況を「タイタニックに乗っている」ようなものと表現している。
視界不良の中、ファーバー氏は投資家に不確実性を覚悟した投資を心がけるよう勧めている。
分散投資を前提として、コモディティの現物を安全資産として推奨している。
「投資分散が必要だ。
救命ボートは貴金属(金、銀、プラチナ)、しかもETFでなく現物だ。
株式も、共同体ごと・地域ごとに分散していくらか保有すべきだ。
債券も必要だし、不動産も地域を分散していくらか保有すべきだ。」
今週、米国株が半値まで落ちると予想してメディアを賑わしたファーバー氏。
そのファーバー氏が、分散を前提としながら、株式の保有を推奨している。
実は、資産クラスごとに1/4ずつ配分するというのはファーバー氏の常道である。
「半値に落ちる」というエンターテインメントから、「分散しろ」という現実味のある話にチューニングしてきたということだろう。