スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が、先の読みにくい状況で有効となる投資のアプローチについて話している。
私がお奨めするやり方は分散だ。
今後5年のうちに世界がどうなるか、あなたにも、わたしにも、視聴者にもわからないから。
だから、1つの資産クラスに集中するのは避けるべきだ。
ファーバー氏が印BOOMのインタビューで、投資家に分散投資を奨めた。
同氏は現状の資産価格について、コモディティの一部などを除いて極めて高いと述べている。
また、経済や市場の先行きについて予見が困難とも話している。
ここから導き出される当然の結論は分散ということになるのだろう。
もっとも、ファーバー氏は以前から株、不動産、現金・債券、金への分散投資を推奨している。
話が分散で終わるならありふれた話にすぎない。
ファーバー氏は、さらに投資家が考えるべきことを続ける。
私はこれを投資の土台と考えているが、あなたは自分のことを知らなければいけない。
ファーバー氏は、自覚すべき投資家の属性を挙げる。
- トレーダーか、投資家か?
- もし投資家なら、モメンタム・プレーヤーか、グロスか、バリューか?
- 許容できる損失は?
- 負けている時にどう振舞うか?
(参考: アスワス・ダモダラン教授による投資家診断)
ファーバー氏は過去100年間の長期で見た場合、バリュー投資が概して功を奏してきたと話す。
多様なファンダメンタルズに対して割安株を見つけようというアプローチだ。
(同氏は最近20年のアンダーパフォームでもへこたれていないようだ。)
バリューを推しながらも、同時に市場における人気度が有効なスクリーニングの手段になると話している。
「言い換えると、これら(人気銘柄)はCNBC、Bloombergなどで一日中取り上げられている。
一方で、無視され、注目されないセクターも存在する。
通常、無視され不人気なセクターに良いバリューの銘柄が見つかる。」
ファーバー氏は人気のモノからチャンスを探そうとしてはいない。
不人気のモノにチャンスを探す逆張り投資家なのだ。
同氏が人気・不人気を見分ける方法は金融メディアだけではない。
その変化を知るために、市場に目を凝らしている。
ファーバー氏は、不人気が人気に変化する時の様子を説明する。
「このいわゆるブレイクアウトの動きがとても大きな出来高をともなって起こると、ファンダメンタルズが変化するかもしれない、とても強力なシグナルになる。」
ファーバー氏は、チャートをファンダメンタルズの大きな変化を嗅ぎ付けるために用いている。
同氏は、特にその先行性を重視している。
市場はニュースの後ではなく前に動く。
市場とは(変化を)織り込むメカニズムなんだ。
私はチャートで売買するのを投資哲学の軸とすることはないが、チャートとは潜在的な大きなトレンド変化を見出すためにとても有用なツールなんだ。