ピーター・シフ

 

ピーター・シフ:売りたい時に売るとは言わない

昨晩、中国が米国債への投資を控えるとのBloomberg報道が流れ、世界の市場に緊張が走った。
そこで大喜びをしたのが、Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏だ。


そもそもBloombergの報道はさほど踏み込んだものでもなかった。

「消息筋によれば、外貨準備の保有資産を検証している北京高官が米国債購入の減額・停止を進言したという。」

Bloombergはスクープとしているが、中国が外貨準備における米国債のウェイトを調整するとの噂は目新しいものではない。
理由はいくつもある。
純粋に投資対象としての魅力、外貨準備の外交・通商上の戦略的利用、あるいは外貨準備の分散などだ。
政府が減額の方針を決定したというならまだしも、消息筋の話のレベルなら、取り立てて騒ぐほどのトピックではなかった。
ただ、皆が米国債の需給悪化に敏感な時にこのニュースが出ただけに、大きな反応となった。

米財政破綻・米ドル暴落を予想し続けてきたピーター・シフ氏も大きく反応した一人だ。

「これは潜在的に不吉な兆しだ。
中国は世界最大の米国債の買い手・保有者だからだ。」


シフ氏は、中国が米国債の買い増しをやめれば、同市場の需給が悪化しかねないと考えている。
これは金利上昇要因であり、米ドル安の要因となる。

「米国は減税をし、支出は削減しないので、借金することで減税の財源を捻出することになる。
借金を増やし、国債を増発することになる。
米国債の最大の買い手・保有者がこれにNoを出したら、大問題になる。
だれが、中国人の代わりに買ってくれるのか。」

シフ氏は中国の建前を深読みする。
中国が米国債を買い続けると言わず保有し続けると言うなら、それは撤退を意味すると解説する。
中国が本当に米国債を売りたいなら、そうは言うはずがないからだ。
米国債を大量につかんでしまった投資家が、自分が売る前に価格暴落を招くはずがない。
「保有する」とは「もはや買わない」の意味だとシフ氏は深読みしている。

「売りたいなら、価格が落ちてほしくない。
買うのをやめれば、それで大事にならず、米国債を償還期限まで保有することになる。
これがもう一つのやり方だ。
中国は必ずしも米国債を売らなくていい。
償還期限に償還させればいい。」

中国の米国債保有見直しについてのFRBの反応は薄い。
シカゴ連銀エバンズ総裁は、目新しい話ではないとして特段重視しなかった。
ダラス連銀カプラン総裁も、この動きがFRBのバランスシート正常化に及ぼす影響は小さいとの見方を示している。


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