ピーター・シフ

ピーター・シフ:低い米実質金利がドル安を招く

Share

Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏が独自の世界観を語った。
FRBは今後も拡張的な金融政策を継続するとし、大幅なドル安を予想している。


「経済はとても弱く、これこそ株式市場が強気相場を続けてきた一因だ。」

シフ氏はCNBCで、史上最高値更新を続ける株式市場を逆説によって解説している。
経済が弱かったために、FRBが超低金利を長く続けることが許されたといい、それが金融市場を押し上げてきたとの考えだ。
ところが、この恩恵は専ら金融市場に限られ、実体経済にはマイナスに働いてきたという。
そして、これこそドナルド・トランプを大統領にしてしまった原因なのだという。

「もしも経済が健全なら、トランプは大統領になっていなかったし、共和党候補にさえならなかったろう。」

シフ氏は、この状況を生み出したFRBを厳しく非難する。
急にタカ派的な発言をするイエレンFRB議長については、その本気度を疑っている。
状況は何も変わっていないのだという。

「FRBは可能な限りゆっくりと利上げを進めようとしている。
ある時点で利上げを停止する言い訳を始め、利下げの言い訳を始め、QE再開の言い訳を始める。」

シフ氏によれば、金融緩和への逆戻りは不可避なのだという。
ところが、インフレの方はそれを待ってはくれないかもしれない。

米都市部CPI(緑)、実効FF金利(赤)、5年実質金利(青)
米都市部CPI(緑)、実効FF金利(赤)、5年実質金利(青)

「インフレは生産者レベルだけでなく消費者レベルでも上昇している。
物価上昇率の上昇はFRBの利上げペースよりはるかに速い。
結果、FRBが名目金利を引き上げても実質金利は下がっている。」

シフ氏のシナリオはこうだ。
FRBは膨張したバランスシートを抱え、急激な金利上昇を許容できない。
結果、インフレに対して利上げが後追いになる。
物価上昇率が低いうちはいいが、高まるにつれ、インフレ高進リスクを抱えることになる。
低い実質金利、高いインフレは通貨安の要因だ。

「ドルは最終的には大きく下げるだろう。
株価は大きく下落するだろう。」