ピーター・シフ

 

ピーター・シフ:バブル崩壊の2つシナリオ

Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏が、持論である官製バブル説を繰り返した。
バブルの崩壊について2つのシナリオを語っているのが興味深い。


「2008年に住宅バブルが起こり、FRBはさらに強力な金融緩和:ゼロ金利8年、QE 3回を行った。
こうしてFRBはみたびバブルを膨張させるのに成功した。
このバブルは前2回と同じ運命を迎えるだろう。」

シフ氏はTheStreetに対し、FRBの失政こそ今世紀のバブルの原因だと指摘した。
前世紀の金融緩和が生んだ2000年前後のITバブル。
ITバブルの危機対応に利下げを行ったために起こった2006-07年の住宅バブル。
そして、住宅バブルの対応には利下げだけではなく非伝統的金融政策に分類される量的緩和が用いられた。
現在がバブルなのかどうかには議論があろうが、少なくとも資産価格はシフ氏が指摘するように上昇を続けている。

シフ氏は、この繰り返しが今後も続くとは考えていない。
3度目は魔法も通じない、空振り三振だと言い放った。

「三度目はFRBもより大きなバブルを膨らますことで投資家を救済できないだろう。
現在のバブルは史上最大のものであり、バブルを膨らます時代も終わったと考えるからだ。」


この予想の投資へのインプリケーションは何であろうか。
素直に考えるなら米国株をはじめとするリスク資産の価格下落ということになる。
実際、シフ氏は株価が半値になってもおかしくないという趣旨の話をしている。
ところが、シナリオはこれ1つではないのだ。

より大きなリスクは、このバブルが崩壊させるには大きすぎるとFRBが考え、代わりに米ドルを犠牲にしようとすることだ。
これは、米投資家の実質ベースの損失をより大きくしてしまう。

バブルになった資産の価格の暴落を許すのではなく、代わりに通貨の暴落を許すというシナリオだ。
アラン・グリーンスパンの言うように、バブルが株式より債券にあるのだとすれば、その筆頭株は日本国債だろう。
ところが、日銀がその気になれば日本国債の価格は下落さえしないですむかもしれない。
その場合、日銀が番人を務めていたはずの通貨 円にしわ寄せがいくことになる。
国債は下がらないが、円が下がるシナリオである。

シフ氏は、ベン・バーナンキFRB議長(当時)がQEを開始した時の議会証言で、QEが一時的危機対応であり、買い入れた国債はマネタイズしないと言っていた点を指摘した。
ところが、QEは3度繰り返し、長期に及び、マネタイズしなかったとは言いがたい状況にある。
FRBは今月からバランスシート縮小を始める予定だが、シフ氏によれば、これは単なる見せかけであり、本格的に進められることはないのだという。


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