ピーター・シフ:インフレの中の危機

Euro Pacific Capitalのピーター・シフ氏が、傍若無人な米国にダメを出している。
この姿勢は米国自身に降りかかり、悲惨な危機に見舞われるという。


「中国人経営者(Huawei CFO)の逮捕が売りのカタリストになったのかもしれないが、弱気相場だから下がったんだ。
もしも弱気相場でなかったなら、市場はまた言い訳を探し出しただろう。」

シフ氏が6日ロシアRTで、急落した米市場について解説した。
米市場はすでに弱気市場に入っており、それゆえに悪いニュースで下げやすくなっていると話した。
仮に強気相場がまだ継続しているなら、市場は無視していただろうという。
つまり、シフ氏の株価見通しは下落なのだ。

しかし、シフ氏が一番注目しているのは株式市場ではない。
一番の注目点は米ドルである。
傍若無人に力を誇示して他国に圧力をかけるトランプ政権と米国のやり方が、裏目に出ることだ。

米ドルの準備通貨としての地位が危険にさらされている。
他国に自分のルールを押し付け、全世界にそれに従うよう要求できるような力を、世界は米国に与えたくないだろう。
だから、今日株式市場で起こったこと以上に大きく幅広い、予期せぬ結果に結びつくのだと思う。
長期的には米ドルとその準備通貨としての役割を損ね、ドルが崩壊すればアメリカ人の生活水準も害される。


シフ氏はいつものように金融危機が近づきつつあると予想する。
バブルは大きく膨らみ、すでに空気が抜け始めているとし、リーマン危機より悲惨な危機がやって来るという。

「米国が(リーマン)危機後に乗り越え、グレート・リセッションと呼んでいるものよりもっと大きな不況になる。
これがはるかに悪い状況になるのは、インフレの中で起こるからだ
経済が悪化する中で消費者物価は上昇する。」

スタグフレーション的な不況が国民生活を苦しめるとの危惧である。

前回の大統領選挙では、選択肢が他にない中でトランプ大統領に投票したというシフ氏。
選挙中のトランプ氏は正しい指摘をしていたと話す。

「ドナルド・トランプはまだ大統領候補だった時『この経済は大きく太ったバブルだ』と言っていた。
あれは正しかった。」

シフ氏は、現在ではトランプ大統領を支持していない。
経済的自由主義者であるシフ氏からすれば、減税は是だが財政悪化は否だ。
そして、シフ氏が長く戦ってきた金融緩和を今、トランプ大統領は圧力をかけてFRBに続けさせようとしている。
シフ氏はすでに現政権に引導を渡している。

彼はバブルを受け継ぎ、さらに大きくした。
そして今、彼の任期中にバブルが弾けようとしている。
それは経済的結果だけでなく悲惨な政治的結末を生むだろう。
私が、トランプは1期だけと思うのはそのためだ。


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