ピーター・シフ

ピーター・シフが語る長期のビッグ・ピクチャーの眺め方

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ピーター・シフ氏という人は終末論を唱える金融業者と思われがちだが、同時に不思議な魅力を持っている。
獄中死された偉大な父Irwin Allen Schiff氏の影響だろうか、この人はビジネス・パーソンである前に思想家・社会活動家であり、その発言には時々はっとさせられる。


シフ氏の解釈・予想を足元の話として聞けばなんとも怪しげにしか聞こえない。
しかし、正しいホライズンとスコープの認識があれば、もはやまっとうな話にしか聞こえなくなるから不思議だ。
Investing Newsによるインタビューでは、シフ氏のそうした側面がよく表れている。

シフ氏が語るのは長期のビッグ・ピクチャーだ。
こうしたホライズンとスコープでは米経済はバブルとの判断になる。
シフ氏は、米国の債務・消費・低金利を持続可能と考えていないからだ。
バブルと聞けば、いつからいつまでと聞きたくなるのが人情だ。
しかし、シフ氏のホライズンはあくまで長期だ。

クラッシュの時期は予想できない

「この仕組みでは(バブル崩壊は)はすぐに訪れる。
『すぐに』が今年か来年か数年後の未来かは実際のところ私にはわからない。
8-10年前にインタビューされていれば、現在までにクラッシュが起こると考えていたことだろう。
しかし、クラッシュはまだ起こっていない。
それは私の予言が間違ったというのではない。
バブルがさらに大きくなったということだ。
・・・
分かっているのは起こることであり、投資家はそれに備えるべきだと思う。」


ある意味では誠実とも言えるし、ある意味では都合のいい話とも思える。
相場の世界には雨乞いとオオカミ少年が少なくない。
雨乞いとは、もっと煽ればよくなるはずと唱える人たち。
政策で言えばリフレ派・上げ潮派がそれだし、市場で言えば日系証券に多いタイプだ。
うまくいかないと、まだ煽りが足りないからだと言い訳をする。

オオカミ少年とは終末論者のことだ。
クラッシュが来ると言い続け、いつもはバカにされ続けるが、いつかクラッシュが起きて名誉を挽回する。
シフ氏以外にもマーク・ファーバー氏、ジム・ロジャーズ氏がそうだし、日本では藤巻健史参院議員がオオカミおじいさんを自称している。
この人たちの言い訳は、いつかはわからないというもの。
これまた誠実であり、都合のいい話だ。
もっとも、この分野の権威ロバート・シラー教授も「崩壊がいつ起こるかは誰にもわからない」とお墨付きを与えているから少々厄介だ。

(次ページ: 米ドル急落、通貨の価値が揺らぐとき)

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