ビル・グロス:デカフェの弱気相場

債券王ビル・グロス氏が、米債券市場の弱気相場入りを宣言し、米国債をショートしていることを明かした。
ただし、急激な変化ではなく、緩やかな変化を予想しているのだという。


「これは強いコロンビア豆の弱気相場ではない。
デカフェの弱気相場だ。
米10年債利回りは今年10-30bpほど上昇するだろう。」


Bill Gross: Here’s why the 25-year bull market for bonds is over from CNBC.

グロス氏がCNBCで、米債券市場の弱気相場入りを宣言した。
同氏は昨日ツイッターでも同様の発言をしている。
今回それを詳述する形となったが、グロス氏の予想は急激な金利上昇・価格下落ではなく、緩やかな変化と説明されている。
それでも、過去25年が利回り低下の趨勢にあったのに対し、今後は上昇に変化することを強調している。
グロス氏は弱気相場を予想する理由として経済成長が上向くことによるインフレ圧力のほか、各国中央銀行の金融政策正常化と米財政の悪化を挙げている。

「名目成長率は減税と政府債務増大により過去4-5年の4%程度から5%程度に上昇すると見ている。
まだニュースでは見ていないが、ネットの米国債発行額は5千億ドルから2018年には1兆ドルに拡大するという。
理由は債務拡大と、FRBを始めとする中央銀行だ。
中央銀行は量的緩和を巻き戻そうとしている。」


中国が外貨準備の米国債を投げているとの噂については、グロス氏は否定的だ。
過去3-4年、外貨準備の投資先を多様化しているのは事実としながらも、ここに来て大きく売っている様子はないという。
投げ売りをしているのでなければ、各国中央銀行の金融政策正常化の方がはるかに効く要因だろう。
いまだECBと日銀は流動性を供給するステージにあるものの、米国債増発がそれを打ち消してしまうという。

「大量なマネー供給も大量な(米国債)供給に吸収され、金利が上昇する。」

金利上昇は債券投資にとっては難物だ。
緩やかな金利上昇でもロール・ダウンによるキャピタル・ゲインを減らしてしまう。
上昇が急なら、キャピタル・ロスさえ生み出しかねない。
イールド・カーブがフラットであるため、ロール・ダウンの妙味自体が小さくなっている。

「債券投資家はハイイールド債をポートフォリオに入れることで年率4-5%のリターンに満足してきた。」

これまで債券投資家は少々危ない資産クラスまで入れ込むことで全体のリターンをかさ上げすることができていた。
しかし、それも限界に近い。

「今やハイイールドのスプレッドはタイトになり、キャピタル・ゲインの余地も小さい。
利回りが今のままなら、債券は0-1%のリターンしか生まないだろう。」

マイナスではない0-1%のリターンを指して、グロス氏は「デカフェの弱気相場」と表現したのだ。
ガツンとやられる相場ではないものの「投資家がリターンを多くとれない相場」と解説している。

グロス氏はこの弱気相場予想を前提として、今年のFRB利上げを2回と予想している。
また、Bloomberg番組で債券(米国債、英国債、独国債)にショート・ポジションを取っていることを明かしている。


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