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ビットコイン最大のリスクは成功すること:レイ・ダリオ
2021年5月25日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、ビットコインについてコメントしたが、その目的地がとんでもなく壮大なところにあるのが面白い。


ビットコインにとっての最大のリスクは、その成功だと思う。
ビットコインの存在が大きくなっていくと・・・
今はたいしたモノじゃない。
たいしたモノになろうと戦えば、それが終わりになる。
なぜなら、たいしたモノにならないからだ。

ダリオ・ファンなら歓喜の涙を流しそうな禅問答のようなダリオ節である。
この発言のポイントは2つ。
「終わり」とは何の終わりなのか。
「たいしたモノにならない」とは何を示しているのか。

ビットコインがたいしたモノになり、脅威になるにしたがい、みんな債券を売ってビットコインを買おうとする。
金ほかのように、みんなが大きく買いたがるようになると、取引が増え、コントロールが効かなくなる。
それが存在にかかわるリスクだ。

禅問答は続く。
ダリオ氏が何を言いたいのか解釈を試みるとこうなる。
ビットコインの地位が向上すると、既存の金融商品にとっての脅威になる。
結果、みんな債券を敬遠し始め、ビットコインを買おうとするかもしれない。
すると、債券市場からビットコインへの資金逃避が起こり、伝統的な金融市場が崩壊しかねない。
先述の終わりとは伝統的な金融市場の終わりであり、「存在にかかわるリスク」とは伝統的な金融市場、ひいては社会にとってのリスクなのだ。

ビットコインでの貯蓄を増やすほど、みんな『債券よりビットコインがいい』と言うかもしれない。
個人的に、私は債券よりビットコインの方がいい。

ダリオ氏は、いつものように債券をディスることを忘れない。
現金はゴミであり、債券も避けるべき対象だ。
こうした環境で、もしもビットコインが「たいしたモノ」になるなら、そこへの抗えない資金移動が起こるとダリオ氏は言う。

そして、それがどんどん進むと、ビットコインに(貯蓄が)向かい、クレジットには向かわなくなり、コントロールが効かなくなる。
それがリスクだ。

こうした記事を呼ぶと、ビットコインが認められていると小躍りする人が表れるが、それは適切な反応ではない。
ダリオ氏率いるブリッジウォーターは、暗号資産をディスりこそしないが、極めて慎重な見解を表明している。

また、ダリオ氏の議論が正しいなら、それこそ暗号資産が「たいしたモノ」になりえないことを示す背理法となる。
ビットコイン価格の上昇トレンドが続く限り、ビットコインは強烈なデフレ通貨だ。
こうした状況では貸借市場は発展しない。
つまり、「たいしたモノにならない」。
伝統的な金融市場から資金が吸い取られれば、私たちの社会は信用創造の機能の多くを失いかねない。
ビットコインが栄えて社会が滅んでも意味がないだろう。
だから、仮にビットコインが「たいしたモノ」になりうるなら、そうしないような措置が取られることになろう。


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