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ビットコイン上場で注目すべきこと

執筆:

仮想通貨ビットコインの先物が上場されるのにともない注目点をプレビューしよう。
妙な話だが、筆者の最大の関心事はビットコインの金利である。(浜町SCI)

いよいよ10日CBOE、18日にCMEにビットコイン先物が上場する。
この上場はビットコインや金融市場にどのような意味を持っているのだろうか。


上場はビットコインが正統的な金融市場からの認知を受けるよいきっかけになるかもしれない。
CBOEやCMEが先を争って上場を決めたのも、ビットコインを始めとする仮想通貨の可能性・人気を示唆している。
《現物》のビットコインは犯罪・脱税・マネーロンダリング等に利用されやすい厄介者だ。
しかし、先物市場なら、こうした側面は一気に小さくなる。
他の先物取引と同程度に日の当たるところに晒されることになる。

ビットコイン相場にとってはいい面・悪い面があるだろう。
CBOEやCMEが安全性の高い売買プロセスを投資家に提供すれば、より幅広い投資家が市場に参加してくるかもしれない。
これは、プラスとなりうる。
一方で、先物の上場は高価なビットコインを持っていない人にビットコインを売る機会を与える。
つまり急落の可能性も増えるだろう。

ビットコイン/ドル相場
ビットコイン/ドル相場


ビットコインの時価総額はこの1年の価格上昇で20兆円を突破したが、それでも金融市場全体と比べればほんの一部にすぎない。
仮にビットコインが急落しても金融不安定を招くリスクはほとんどないというのが大多数の識者の見方だ。
しかし、念のため10日前後は不要不急のポジションは控えた方がいいかもしれない。

弊社も筆者もビットコインを保有したことがない。
これからも今のところ触るつもりは毛頭ない。
こうした外野にとっても関心があるのは金利だ。
ビットコインをコモディティでなく通貨と見るなら、他の通貨と同じく現先スプレッドからインプライド金利が計算できる。
これが決済手段としてのビットコインの将来を占うのではないか。

先月の報道では、その時点でのビットコインの金利は57%と計算されたという。
発行量に上限がある通貨の金利がこうも高いのなら、金融は極度の引き締め状態である可能性がある。
ビットコインの本領が投機であるなら何の問題もないが、本領が決済であるならこれは大問題だ。
引き締め的であるがゆえに、ビットコインはカバーする経済の規模を増やせなくなる可能性さえある。

米ドルが世界の決済通貨となりえたのも、良くも悪くも米国が米ドルを野放図に垂れ流してくれたおかげだ。
米国は貿易赤字を通して米ドルをばら撒き、自国の収支のつじつまを合わせてきた。
これが世界に米ドルを供給し、世界は便利な国際通貨を手にすることができたとも言える。
ビットコインは通貨発行の規律が極めて高いがゆえに、本来の決算手段としての普及に限界を突き付けられるかもしれない。




山田泰史山田 泰史 横浜銀行、クレディスイスファーストボストン、みずほ証券、投資ファンド、電機メーカーを経て浜町SCI調査部所属。東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修了 理学修士、ミシガン大学修士課程修了 MBA、公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。

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