海外経済 投資

パッシブからアクティブへ:モハメド・エラリアン
2021年3月23日

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、経済と市場の関係の変化について解説し、投資手法をどう変化させるべきかアドバイスしている。


現在はとても変わった状況にある。

エラリアン氏がYahoo Financeで、経済と市場の関係が昨年と今年で真逆に転じうると警告した。

経済は苦戦していた。
投資家はリスク資産-株式、NASDAQなど-とリスクフリー資産-米国債-の両方で儲かった。
それが昨年で、すばらしいことだ。
今や、状況が逆転するリスクがある。
経済が良好で、それが流動性パラダイムを揺るがし、株式・債券の両方で損をしうる。

株式と債券が順相関する市場では、儲かる時には両方が儲かる。
溢れかえるような流動性は、ほぼすべての資産クラスを押し上げた。
パンデミック等で経済が悪化しても、金利が低下し債券が儲かり、株式も儲かることになる。
仮に順相関が続くなら、逆もまた然りということになる。

エラリアン氏は3つの変化に注意するよう促す。

  1. FRBが債券市場のコントロールを失うのか。
  2. それが完全に市場心理を変えてしまうのか。
  3. これが市場と経済に悪い波及効果を及ぼすのか。

エラリアン氏の予想はこうだ。

  1. FRBは債券市場のコントロールを失うリスクを冒している。
  2. これが流動性パラダイムを揺るがす。
  3. 経済には害が及ばない。
    「経済を決めるのはペントアップ需要・財政刺激策・コロナウィルスであって、債券市場ではない。」

エラリアン氏は、今年の米実質成長率を7%と予想する。
現在6.5%を予想するFRBは再度上方修正することになるという。

これはどちらかといえば金利上昇要因だし、金融政策正常化を前倒しする要因なのだろう。
注目は、エラリアン氏が、経済に害が及ばないと考えている点。
同氏は推測を膨らますことはなかったが、経済に害が及ばないなら、FRBはある程度市場を見捨てる可能性もあるのだろう。

経済・市場の状況が反転するかもしれない中、エラリアン氏は、投資のやり方にも変化が必要と説く。
昨年まで大成功を収めたやり方はこうだった。

「私は長い間(投資において)マクロ予想が重要と考えてきた。
FRBと流動性を正しく予想すれば、倒産さえ避ければ、他のことはあまり心配要らなかった。
だからこそ、パッシブ投資があれだけうまくいったんだ。」

ところが、市場が反転しうる状況では、やり方を変えなければいけない。
エラリアン氏は、アクティブ運用を用いるべき環境になっていると説き、2つのポイントを挙げた。

ボトムアップの視点からポートフォリオを組み上げ、流動性や経済パラダイムの変化に対する頑強さを確認すべきだ。
流動性パラダイムの変化に対して強く、かつ、大きな経済改善の恩恵を受けられるミックスを実現しないといけない。

昨年来、米国民に配られた給付金は、小口だが莫大な投資資金を市場に送り込んだ。
キャスターは、新たに配られる給付金をどう投資すべきか尋ねている。
エラリアン氏は、昨年の成功例を解説する。

「過去のやり方は、最もボラティリティの大きな資産に投資するというものだった。
流動性が溢れ、人々が利回りを探している時、最もパフォーマンスが良くなるからだ。
それはとてもうまくいった。・・・
短期売買的な考えであって、趨勢的・構造的な考えじゃないが、流動性を重視しなければならなかった。」

「最もボラティリティの大きな資産」とはビットコインなどを念頭に置いたものだろうか。

今後は小口資金をどう投資すればよいのか。
残念ながら、エラリアン氏は具体的な答を返していない。
すべてが上がる状況からすべてが下がる状況になりうるのだから、投資ははるかに難しくなるのだし、そもそも大金持ちのエラリアン氏が小口投資に長けているとも思えない。

今はもっと難しい。・・・
適切な銘柄選択ができているか確認しないといけない。
単純にもらった給付金を一番ボラティリティの高い資産に投じればいいというものじゃない。


-海外経済, 投資
-, , , ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。