海外経済 政治

バーニー・サンダース議員、ウォーレン・バフェット氏を労働争議に巻き込もうとする
2021年12月31日

バーニー・サンダース上院議員がウォーレン・バフェット氏を傘下企業の労働争議に巻き込もうとしていることが大きく報じられている。


労使が先鋭に対立しているのは、バークシャー・ハザウェイ傘下の金属加工会社プレシジョン・キャストパーツの子会社スペシャル・メタルズだ。
すでにストに突入しており、ピケも張られている。
会社側は外部労働者を雇い操業を継続している。
悪い言葉でいえばスト破りであり、何十年か前を思い出させる言葉の数々だ。
日本人からすれば隔世の感があるが、労働者不足により労働者の交渉力が復活しつつある米国では、こうした状況が珍しくなくなっているようなのだ。

無所属の上院議員として民主党大統領候補戦にも出馬したサンダース上院議員は、かわらず弱者を支援する活動を進めている。
今回、労働組合を支援する中で、プレシジョン・キャストパーツの親会社CEOであるバフェット氏に書簡を送っている。
労働者が公正な契約を結べるよう、バフェット氏に対し争議に介入するよう求めたのだ。

バフェットの投資スタイルは(バークシャーに取り込む場合を除き)ハンズ・オフだ。
優れた企業に投資し、そのまま経営を任せるスタイルだ。
今回もそのスタイルを採り、サンダース議員の求めを拒否したという。
書簡は意見を付さずにプレシジョン・キャストパーツCEOに転送したという。

サンダース議員が極端な例だとしても、その主張には米国の変化が少しは含まれていよう。
書簡の中では

「この会社とバークシャー・ハザウェイの両方がとても好調な時に、あなたに雇われた労働者が子供を養えるか・医療を受けられるか心配しなければならない理由はない。」

あるインタビューでは

「世界屈指の富豪が所有する、極めて高収益で豊富な財力を持つ企業は、労働者に賃下げや医療福利制度の削減を求めるべきでない。
それは単に誤りだ。」

と語っている。

バフェット氏に対しては、投資先について道義的責任を果たしていないとの指摘がなされることが過去もあった。
スペシャル・メタルズの事例で労使のいずれが妥当なのかは明らかでないが、賃下げや医療給付削減を求める会社側に批判が向かうのも理解はできる。
一方で、親会社が金持ちだから子会社がリストラすべきでないとの論理もなかなか受け入れがたい。
この延長線上に、金持ちの投資家が問題を抱えた企業に投資したらリストラできない、といった奇妙な社会がないか心配だ。


-海外経済, 政治
-

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。