バークシャー・ハザウェイ年次株主あて書簡:ウォーレン・バフェット

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイの年次株主あて書簡が昨日公表された。
そこには、あいかわらずの米経済・市場への自信が書かれている。


チャーリー(・マンガー副会長)と私は、バークシャーの成功の多くが単純に米国の追い風と呼ぶべきものの産物であることを喜んで認める。
米企業・個人が『自分だけで成し遂げた』と主張することは大いなる傲慢だ。

バフェット氏が年次書簡で書いている。
バークシャーの2018年の「1株あたり時価」の成長率は2.8%と、S&P 500指数の-4.4%を大きく上回った。
1965年からの年率は20.5%、S&P 500は9.7%。
累積では2,472,627%と、S&P 500の15,019%を大きく突き放している。
バフェット氏は、自分たちの成功を誇りながらも、米市場という下駄を履かせてもらっていたことも認めているのである。
賢人は、新聞配達をしていた少年時代を思い出す。

「3月11日で、私が米企業に初めて投資してから77年目になる。
1942年に私は11歳だった。
6歳から貯めた114.75ドルをすべて投資したんだ。
Cities Service株を3株買って、資本家になり、いい気分だった。」

これがバフェット少年の最初の株式投資だ。
では、バフェット氏が言いたい「米国の追い風」とは何か。
同氏は、1942年にS&P 500に投資し、配当をすべて再投資した場合の今の価値を計算している。
今年1月31日で(税前で)投資元本の5,288倍の増加となるのだという。


「米国の追い風」と複利の魔法を示すことで、バフェット氏は貯蓄の重要性を説きたかったのだろう。
個人にとっても、国にとっても国内貯蓄はとても重要な営みであるからだ。
逆に、貯蓄が不足すれば悲惨な社会がやってくる。
暗い面について説明こそしていないが、バフェット氏の心中には危機感があるはずだ。

「この書簡の前の方で、内部留保がバークシャー繁栄のカギだったと書いた。
同じことが米国についても言える。
国の勘定において、貯蓄とは企業の『預金』勘定に対応し、私たちは貯蓄してきた。
もしも私の祖先たちがそうせず、生産したものすべてを消費していたなら、投資も生産性改善も生活水準向上もなかっただろう。」

慢性的な双子の赤字は、資本を外国からの投資に依存していることを意味する。
米経済が強さを失わない一因は、外国の投資が国内の不足分を埋めてくれたからだ。
米国に投資する魅力があったからこそではあるが、逆に何かの原因で魅力が後退すれば、逆回転が始まる。
できることなら、借金ではなく内部留保による繁栄が望ましいと考えるのは健全なことだ。

バフェット氏は、米国以外にも将来を約束された地は存在すると認めている。
しかし、それでも米国は一等地であり続けるだろうと考えている。

アメリカ人は、すべての国が繁栄すれば、もっと栄え、安全になるだろう。
バークシャーでは、かなりのクロス・ボーダー投資を行えると望んでいる。

しかし、次の77年について、わが社の主たる利益の源泉が米国の追い風から得られるのはほぼ間違いない。
そうした力を背に受けていられて、私たちは幸運、素晴らしく幸運だ。


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