バリューなら中国関連銘柄:アスワス・ダモダラン

ニューヨーク大学Aswath Damodaran教授が、今後18か月、米国株市場はボラティリティの高い環境が続くと予想した。
安全な投資は存在せず、バリューを求めるなら火中の栗を拾う覚悟が必要と示唆している。


選択をしなければいけない: バリューか安全か。

「バリュエーション学部長」の異名をとるダモダラン教授がCNBCで話した。
教授は選択が必要といったが、その実、選択の余地はないようだ。
今の米国株市場に「安全な場所などない」からだ。

「高配当株でもダメ、高キャッシュフロー株でもダメだ。
それらが株価の保証をしてくれるわけではない。」

ダモダラン教授は、投資家が錯覚しないよう話す。
配当がよかろうが、キャッシュフローが多かろうが、株価が影響を受けるのだから、配当・キャッシュフローに意味があるわけではないのだ。
貿易戦争が長引くうちは企業活動に影響が及び、株価にも影響が続くという。

「価格は全面的に影響を受ける。
もしも『配当を受け取れるから自分が持っている銘柄は保護されている』という意味で安全を求めるなら、間違ったところを見ている。
市場はボラティリティの高い状況が続くはずだからだ。」

ダモダラン教授は今後18か月、ボラティリティの高い市場が続くと予想している。
18か月は大統領選挙を意識した期間だろう。
教授は、経済だけでなく政治が市場のドライバーになると予想し、この間、大きな問題への解決が得られない状況が続くだろうという。

安全が得られないならバリューはどうなのか。
ダモダラン教授は、投資家がバリューを求めるなら「暗黒部分」に飛び込まないといけないという。

「暗黒部分とは最も中国に大きなエクスポージャーを取っている企業だ。
ボーイング、キャタビラー、NVIDIA、アップルのような企業だ。」


米中貿易摩擦の影響で株価が抑え込まれている銘柄が狙い目になると言いたいのだ。
(ただし、必ず報われるとは言っていない。)
ダモダラン教授は、この戦略が息の長いものになると注意を喚起する。
貿易戦争が長引くと見込まれるからだ。

ダモダラン教授は、必ずしも弱気相場を予想するとは話していない。
しかし、いつかやってくる景気後退期に企業の債務問題が発生しうると話した。

「私はテスラのような、いい時期に乗じて借金をした会社について心配している。
景気後退になれば焦りだすだろう。
返済負担対債務といったキャッシュフロー・カバレッジを注視している。」

さらに企業の債務については、トランプ政権・共和党による法人減税の影響について言及している。

率直にいって、借金の節税効果が50%も近年低下したことを考えると、借金をどう見ればいいかまだわからない。

連邦法人税率は35%から21%へ引き下げられている。
実質的には減税前から様々な控除により低い税率となっていたとみられるが、それでも税率の低下は低下だ。
これは法人税負担を減少させた。
それとともに、債務の持つ税遮断効果を減少させた。
投資の世界へのインパクトで言えば、WACCを上昇させたのだ。
現時点ではネットでプラスの効果であろうが、経済環境の変化とともに何かインパクトの度合いに変化が現れるのか。
ダモダラン教授のコメントはこの点に言及したものとみられる。

FRBが再び市場を救済するのではないかとの問いに対しては、ダモダラン教授は否定的な見解を述べている。

FRBはこのゲームを先導ではなく追随しているだけだ。
債券市場は、経済成長が低下すると告げている。
それが私が低い債券利回りから受け取ったメッセージだ。
FRBはよくて後追いができるだけで、債券利回りのコースを変えることなどほとんでできないだろう。


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