過去3度のバブルを予想し的中してきたGMOのジェレミー・グランサム氏が、今回のバブルを乗り切るための投資先をいくつか挙げている。
これほどの投資家の熱狂はめったにないことだ。・・・
(投資家は)心と魂を投じ、すべての現金を市場に投じている。
グランサム氏がCNBCで、米市場がまさにバブルの状態にあると述べている。
同氏は昨年6月にバブル到来を宣言し、運用ファンドのリスク・オフを進めてきた。
グランサム氏は、現在のようなバブルが起こった場合、過去いずれのケースでも市場は50%以上下げたと指摘する。
すべての兆候を見ると、(バブル崩壊が)明日でもおかしくない。
このバブルを弾けさせるのに十分な状況だ。
新大統領の着任が落ち着く頃が、バブルが萎み始める完璧なタイミングになるだろう。
つまり、今回のバブルはいつ弾けてもおかしくないというのだ。
グランサム氏は、1年前と比べて経済の大きな課題が何も解決していないと指摘する。
世界貿易の減少、世界経済の鈍化、人口動態の悪化など、問題は山積だ。
こうした問題が存在する1年前、今度はコロナ・ウィルスによる打撃を受けた。
それなのに、株価はコロナ前よりはるかに高いところまで上昇した。
経済と市場のよじれはかつてないほど大きくなっているといいたいのだ。
グランサム氏は、バブル崩壊を乗り切るための投資戦略を尋ねられ、まず第一に新興国市場を挙げた。
割高感の強い米国株でなく、適切に値付けされている新興国市場を選ぶべきという。
新興国市場も米市場とともに下がると思うが、安い分だけ下げ幅ははるかに小さくて済むだろう。
新興国市場は多くの点でシステムの中に成長余地を残している。・・・
成長率が高く、はるかに割安で、まだ買い上がられておらず、たいして過剰な投機もない。
グランサム氏は、次に現金にもお墨付きを与えている。
「もちろん、現金も良い。
私ははっきり、米国株より現金の方を選好している。」
米国株にダメ出ししたグランサム氏だが、唯一例外もある。
それはベンチャー・キャピタルだ。
グランサム氏は米VC産業を「常に最有力、最良」と高く評価している。
「そこに投資していることを喜んでいる。
一番高いリターンを上げている。
長い目で見て(上場)株式を上回っている。」
2021年1月 ジェレミー・グランサム氏インタビュー
- CNBC:バブルを乗り切るための投資先選び:ジェレミー・グランサム
- Bloomberg:数か月以内にバブルが弾ける:ジェレミー・グランサム
- Bloomberg:バブル崩壊後もバリューは出遅れるのか:ジェレミー・グランサム