バイロン・ウィーン:ドル高予想は外れる可能性も

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Blackstone Advisory PartnersのByron R. Wien氏が、年初のドル高予想についてやや自信を失いつつある。
ファンダメンタルズから言えばドル高が自然の方向だが、政治要因が実現性を不透明にしているという。


「もしかしたら、これは外れることになるかもしれない。」

ウィーン氏が年初のドル高予想への自信を後退させたとNikkei Asian Reviewが伝えている。
年初の予想とは、同氏が32年続けている「今年の10のサプライズ」のことだ。
そこで、為替についてウィーン氏はこう予想していた。

4. マクロ投資家が為替市場で殺戮を働く。
ドル円は130円になり、日本の輸出が刺激される。
英ポンドは1.10ドルまで、ユーロは1.00ドルまで下落する。

8. トランプが中国について誤解していたことを悟る。
人民元は割安ではなく割高であり、1ドル8元まで減価する。

こうしたドル高予想は、米経済成長の強さとFRBの金融引き締めを材料とするものだった。
ところが、この読みが政治要因のために揺らいでいる。
トランプ大統領をめぐる政治の不確実性は消えず、これが単純なドル高予想を難しくしている。


といっても、ウィーン氏の年内の為替予想は依然としてドル高だ。
確かに政治要因を見ないなら、経済のファンダメンタルズはドル高を示している。
では、政治要因を見るならどうなるか。

  • 大統領が生き残るならドル安を望み続ける
  • 大統領が失脚するならドル高が許容される

というのが基本シナリオだろう。
さらに、後者の場合はもう少し複雑になる。
ウィーン氏は先日、トランプ辞任なら市場は好感するだろうと話している。
同様の指摘が少なくないことから、大統領失脚は中期的には米市場でリスク・オンをもたらす可能性がある。
この場合、対円・対ユーロなど、低金利通貨に対してドルは上昇するかもしれない。
一方、高金利通貨に対するドルの方向性は単純ではないだろう。

ウィーン氏のドル高シナリオには希望的観測も入り込んでいるようだ。

「ドル高はアジアにとってプラスだ。
人民元安を予想しており、これは中国にとっていいこと。
ドル高は米国の貿易相手国にとっていいことで、(米国を)過大に害するとは思わない。」

ウィーン氏は年初の「サプライズ」どおり、人民元が過小評価ではなく過大評価されていると話している。

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