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バイロン・ウィーンの2021年のびっくり10大予想
2021年1月5日

ブラックストーンが、バイロンR.ウィーン氏による1986年以来36年目となる「2021年のびっくり10大予想」を公表した。
(今年もジョー・ザイドル氏との共同作業。)


ここでの「サプライズ」の定義は「平均的な投資家は1/3程度の確率でしか起こらないと考えているが、ウィーン氏は1/2超の確率で起こると信じている事象」とされている。
以下が骨子:

  1. トランプ元大統領が自前のテレビ・ネットワークを持ち、インタビュー番組でゲストにプーチン大統領を招く。
  2. 米中が建設的な外交・通商関係を回復し、中国A株が新興国市場の上昇を牽引する。
  3. ワクチンや治療法改善により5月末までにある程度の「常態」が戻る。
    7月には東京オリンピックが観客を入れて開催される。
  4. GoogleやFacebookに対し、いくつか事業売却や監視・規制が強制されるが、欧州を除き、本格的な解体は支持されない。
  5. 名目成長率は6%超へ急伸、失業率は5%へ低下、サービス株・航空株がアウトパフォームする
    2010-20年の景気サイクルを抜いて、史上最長の景気サイクルが始まる。
  6. FRBと財務省は、大っぴらにMMTに取り組むようになり、インフレが漸進、金は上昇し、暗号資産の評価が上がる。
  7. 「常態」が戻りWTI原油価格は65ドルまで上昇、関連のハイイールド債、株式が好パフォーマンス。
  8. 株式市場はヘルスケアやテクノロジー以外も広く上昇へ。
    年前半に20%近い調整が入るが、年後半にはS&P 500は4,500を付ける。
    循環株がディフェンシブに、小型株が大型株に勝り、市場での格差が縮小。
    その流動性を提供するのが大型テクノロジー株となり、そのため年内は出遅れる。
  9. 米10年債利回りは2%に上昇、イールドカーブはスティープ化するが、インフレ上昇で実質金利はゼロ近傍に。
  10. ドル安は反転。
    日欧の債務拡大や低成長を嫌う投資家が米国に回帰する。

さらに、それほど重要でないもの、実現可能性が高くないもの3つを挙げている:

  1. 東欧・中東などからのサイバーアタックが増加・高度化し、損害が甚大に。
  2. テスラが世界的な自動車会社を買収。
  3. 金正恩氏がロサンゼルスまで届く長距離ミサイルで脅しをかけ、トランプ氏がテレビ番組で金氏を説得。

日頃のウィーン氏の発言を知らないと、誤解しかねないところもある。
同氏の中で焦燥感が増しているのだろうか。
たとえば、同氏はかねてから政府債務の拡大について危機感を示してきた。
予想は今後も拡大を続けるということだろうが、諸手を挙げて喜んでいるという話ではない。
ただし、結果としては、長い景気サイクルにつながるとも予想している。
政策が遠い将来まで先食いをするということだろう。

ウィーン氏の予想をおさらいしておこう。
前年はコロナ前だったのであまり意味がなくなっている。)

  • S&P 500: 年前半に2割ほどの調整後、年後半に4,500へ(昨年予想は3,500超)。
  • 米10年債利回り: 2%(同、2.5%)。
  • ドル相場: ドル高へ(同、言及なし)。
  • FRB金融政策: 長期金利抑制を継続(同、1%へ利下げ)。
  • 金価格: 上昇(同、言及なし)。
  • WTI原油価格: 65ドル(同、70ドル超)。

個人の思いに左右されない冷徹な予想者の予想は今年も人々を驚かせることになるだろうか。


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